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大きく変わるMRSA感染の疫学像
侵襲性MRSA発症の6割は医療関連感染の市中発症

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)感染の疫学像が大きく変化している。国民の感染状況に関する正確な情報が必要と考えた米国立疾病管理センターCDC)のR. Monina Klevens氏らは、侵襲性MRSA感染者について、医療に関連した感染であるかどうか、院内で発症したのか市中で発症したのかを調べ、罹患率や特性を比較した。

 その結果、医療関連感染による院内発症は26.6%に留まり、58.4%は医療に関連して感染し市中で発症していることが明らかになった。詳細は、JAMA誌2007年10月17日号に報告された。著者らは、「MRSAは、もはや医療機関に限定される感染とは言えず、公衆衛生上の問題になりつつある。今後も疫学像の変化は続くと考えられ、有効な介入策の構築には、そうした変化の把握を怠らないことが必要だろう」と指摘している。

 著者らは、CDCのEmerging Infections Programの一部として現在も行われているActive Bacterial Core Surveillance(ABCs)に参加した米国内9地域の侵襲性MRSA感染積極的監視の報告から、2004年7月から2005年12月のデータを得て分析した。最大地域はコネチカット州(人口約350万人)、最小はミネソタ州ラムゼーの人口49万5000人の地域で、9カ所の総人口は1650万人(米国全体の5.6%に相当)。米国国民全体に比べ白人は少なく、65歳以上の高齢者も少なかった。

 MRSA症例は、下記の3群に分類した。
医療関連市中発症:以下の医療危険因子を1つ以上保有。1)入院時に侵襲機器を使用、2)MRSA感染歴または保菌歴あり、3)過去12カ月以内の手術歴、入院歴、透析歴、ケア施設への長期入所歴あり。

医療関連院内発症:入院から48時間を超えて採取された標本が培養陽性。医療危険因子を1つ以上持つ可能性あり。

市中感染:医療関連危険因子を持たない。

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