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ANPは急性心筋梗塞の梗塞サイズを縮小させる
J-WINDの結果より

 国内65病院で実施された無作為化試験「J-WIND」で、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、一般名:カルペリチド)静注が、急性心筋梗塞患者の梗塞サイズの縮小と左室機能の改善に有効であることが示された。対照群に比べ梗塞サイズは14.7%縮小、慢性期の左室駆出率は5.1%上昇、心臓死と心不全による再入院は4分の1に減少した。国立循環器病センターの北風政史氏らの報告で、詳細はLancet誌2007年10月27日号に掲載された。

 再還流障害の予防または治療を目的とする薬剤の効果を調べる臨床試験は複数行われたが、満足のいく結果は得られていない。ANPとニコランジルについても、臨床的な有用性を調べる小規模な単施設試験が1件行われただけだった。

 「J-WIND」(Japan-Working Groups of Acute Myocardial Infarction for the Reduction of Necrotic Damage)は、初回急性心筋梗塞患者を対象に、ANPとニコランジルの経皮的冠インターベンション(PCI)補助療法としての有効性を、梗塞サイズと左室機能を指標として評価したものだ。

 J-WINDは、国内65病院で2件の独立した前向きの無作為化単盲検試験を実施した。27施設はANPとプラセボを比較するANP試験、28施設はニコランジルとプラセボを比較するKATP試験に参加した。被験者は、20~79歳、胸痛が30分以上持続、心電図で0.1mVのST上昇、発症から12時間以内の入院を条件として登録した。

 急性心筋梗塞ではなかった患者、同意を撤回した患者を除外して、ANP試験においては、277人をANP静注(0.025μ/kg/分を3日間持続静注)、292人をプラセボ(5%ブトウ糖液)に無作為に割り付けた。

 もう一つのKATP試験では、276人をニコランジル静注(0.067mg/kgをボーラス投与し、その後1.67μg/kg/分を24時間静注)、269人をプラセボ(0.9%生食)に割り付けた。ニコランジル群のうち61人には、追跡期間中にニコランジルを経口投与した。

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