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高齢者へのインフルワクチン接種は有効
肺炎とインフルエンザによる全死因死亡が48%低減

 高齢者に対するインフルエンザワクチン接種の有効性を10シーズンにわたって調べた結果、ワクチン接種により肺炎またはインフルエンザによる入院が27%、全死因死亡が48%低減することが明らかになった。米国Minnesota大学のKristin L. Nichol氏らの報告で、詳細はNEJM誌2007年10月4日号に報告された。

 65歳以上の高齢者に対するインフルエンザワクチンの有効性を示す信頼できるデータは、情報に基づく予防注射政策とワクチン接種プログラムの構築に欠かせない。しかし、過去に行われた多くの研究は、数シーズンの効果を分析しているに過ぎなかった。また観察研究がほとんどで、バイアスや交絡因子の影響が懸念されるものだった。

 著者らは、潜在バイアスと残差交絡に留意しつつ高齢者に対するインフルエンザワクチン接種の長期的な有効性を評価することを目指した。そして、米国の3つの健康維持組織(HMO)に属する地域在住の高齢者からなる18コホートを対象に、1990年から2000年までの10流行期分のデータ(年齢、性別、ベースラインの併存疾患、過去12カ月間の医療サービスの利用、インフルエンザワクチン接種の有無など)をHMOのデータベースから抽出した。

 71万3872人-シーズンのデータを分析したところ、ワクチン接種者は41万5249人(平均年齢73.9歳)、ワクチン非接種者は29万8623人(73.6歳)。接種群のほうが、ベースラインでハイリスク疾患(糖尿病、心疾患、肺疾患など)を抱えている頻度が高かった。

 10シーズンの肺炎またはインフルエンザによる入院は計4599人、全死因死亡は8796人だった。観察された1シーズン当たりの入院率は、非接種者0.7%、接種者0.6%、同様に死亡率はそれぞれ1.6%と1.0%だった。ワクチン接種は肺炎またはインフルエンザによる入院を27%減らしていた(調整オッズ比は0.73、95%信頼区間0.68-0.77)。死亡リスクは48%減少していた(0.52、0.50-0.55)。

 年齢の上昇とベースラインでのハイリスク疾患の存在は、ワクチン接種群、非接種群の両方において、入院または死亡の強力な予測因子だった。ただしワクチンの効果は、年齢とリスクに関わらず安定していた。

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