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ドネペジルはアルツハイマー病患者の興奮を改善せず
認知機能改善には有効

 アルツハイマー病患者の認知機能を改善するコリンエステラーゼ阻害薬は、焦燥性興奮の改善にも有効なのだろうか。ドネペジル(商品名:アリセプト)の興奮に対する効果を調べる無作為化試験の結果、プラセボとの間に有意差は見られないことが示された。英国London大学King's CollegeのRobert J. Howard氏らの報告で、詳細はNEJM誌2007年10月4日号に掲載された。

 焦燥性興奮はアルツハイマー病患者に広く見られる症状だ。地域で生活するアルツハイマー患者の24%、介護施設入居者の48%が興奮を示すという報告がある。焦燥性興奮は、徘徊、攻撃的言動などを引き起こし、介護者を困惑させて、患者の施設への入所を早める原因になる。海外では、非定型神経遮断薬が興奮に対する治療に用いられることが多いが、効果はわずかである上、重症の有害事象を引き起こすリスクがあり、新たな選択肢が求められている。一方、これまでドネペジルは行動障害にも有効であることを示唆する結果が報告されていたが、興奮に対する利益は明らかではなかった。

 著者らは、英国の8医療機関において、最高4週間の心理社会的プログラムに反応しなかった興奮を示す重症のアルツハイマー病患者272人を登録。128人(平均年齢84.9歳、女性が105人)を10mg/日のドネペジル、131人(平均年齢84.4歳、女性は114人)をプラセボに無作為に割り付けた。治療は12週間継続した。

 主要アウトカム評価指標は、ベースラインから12週時のCMAI(Cohen-Mansfield Agitation Inventory)スコアの変化に設定。興奮のレベルを29-203点で評価するCMAIは、高スコアほど症状が深刻であることを意味する。被験者はベースラインでCMAIスコア39以上を条件として選出されており、ベースラインの平均スコアは、治療群62.5、対照群60.7だった(P=0.34)。

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