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LDL-C値を下げてもHDL-C低値はリスク高い
LDL-C値が70mg/dL以下でも要注意

 スタチン治療によりLDLコレステロールLDL-C)値を下げると、心血管イベントのリスクは有意に下がる。では、LDL-C値を非常に低くすれば、もはやHDLコレステロール(HDL-C)値とリスクは無関係なのだろうか。冠疾患歴を有する患者にスタチンを投与した大規模研究の結果を事後解析したところ、LDL-Cが70mg/dL(1.8mmol/L)未満のグループでも、HDL-C値低値の人々のリスクは高値群に比べ約40%高いことが明らかになった。オーストラリアHeart Research InstituteのPhilip Barter氏らの報告で、詳細はNEJM誌2007年9月27日号に掲載された。

 著者らは、先ごろ終了したTreating to New TargetsTNT)研究の事後解析を行った。TNT研究は、臨床的に確認された冠疾患の既往がある35~75歳の男女9770人を対象に、二重盲検の無作為化並行群間試験として複数の医療機関で行われた。10mg/日のアトルバスタチン投与でLDL-C値が130mg/dL未満になった患者を、無作為に10mgまたは80mg/日のアトルバスタチンに割り付けて行われた。

 今回分析の対象にしたのは、治療開始から3カ月時点のデータだ。主要アウトカム評価指標は、5年間の初回主要心血管イベント(冠疾患死、医療処置関連ではない非致死的心筋梗塞、心停止後の蘇生、致死的または非致死的脳卒中)発生リスクの予測値とした。

 3カ月時のHDL-C値で患者を5群に層別化(38mg/dL未満、38~43mg/dL 、43~48mg/dL、48~55mg/dL、55mg/dL以上)、またLDL-C値で3群に層別化(70mg/dL未満、70~100mg/dL、100mg/dL超)した。

 3カ月時のHDL-C値は、TNTコホート全体において、主要心血管イベントの予測因子だった。調整済み5年主要心血管イベントリスクは、HDL-C値が最低5分位群の患者に比べ、最高5分位群で25%低かった(ハザード比0.75、95%信頼区間0.60-0.95)。5群の間の5年リスクの差は有意だった(P=0.04)。

 10mg/日群でも80mg/日群でも、HDL-C値が高いほど5年リスクは低かったが、10mg群に比べ80mg群の方がすべての5分位群でリスクが低かった。最低5分位群と比較した最高5分位群のハザード比は、10mg群が0.71(0.52-0.96)、80mg群は0.81(0.58-1.14)。

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