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チアゾリジン薬は心血管死を増やさず
2万人の耐糖能異常と2型糖尿病の患者対象のメタ分析の結果

 チアゾリジン系糖尿病治療薬TZD)を耐糖能異常者と2型糖尿病患者に投与すると、いずれの薬剤もうっ血性心不全リスクは有意に上昇させたが、心血管死の増加は見られなかったことが、米国Lahey ClinicのRodrigo M Lago氏らのメタ分析で示された。詳細は、Lancet誌2007年9月29日号に報告された。

 ロシグリタゾン(商品名:アバンディア)やピオグリタゾン(商品名:アクトス)をはじめとするTZDの心血管系への影響については報告が相次いでいる(2007.8.3「米国ロシグリタゾン騒動、ひとまず収束か」2007.9.27「ピオグリタゾンの血管合併症予防効果を確認」ほか参照)。今回著者らは、TZDを投与された患者のうっ血性心不全と心臓死のリスクについて評価するメタ分析を行った。

 ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンを投与された患者のうっ血性心不全について調べた3048件の研究を精査し、7件の2重盲検無作為化試験(RCT)を選出、系統的レビューとメタ分析を行った。7件はすべて2005年の報告だった。追跡期間は12~48カ月(平均29.7カ月)、登録患者の数は200~5269人(中央値は4351人)。対照群には、プラセボ、メトホルミン、スルホニルウレア、グリベンクラミド、グリメピリドが投与されていた。

 データをプールし、ランダム効果モデルを用いてTZD群と対照群を比較。主要アウトカム評価指標はうっ血性心不全と心血管死亡リスクに設定された。

 分析対象となった耐糖能異常または2型糖尿病の患者は2万191人。年齢は54.7~64歳(平均59.4歳)、83%が白人、64.8%が男性だった。うっ血性心不全イベント発生は360人(発生率は1.8%)。

 TZD使用者は9360人、うちイベント発生は214人。非使用者は1万831人、イベント発生は146人。対照群に比べTZD群では、うっ血性心不全リスクの有意な上昇が認められた(相対リスク1.72、95%信頼区間1.21-2.42、P=0.002)。心血管死亡のリスク上昇はなかった(0.93、0.67-1.29、P=0.68)。7件の研究の間で結果の均一性は高く、見られた現象はTZDのクラスエフェクトと考えられた。

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