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「死亡率ランキング精度に疑問!」― 病院が反撃
病院側が参照データベースの不備を指摘

 2004年に幼児の先天性心疾患に対する開胸手術後の死亡率が高いと指摘された英Oxford Radcliffe病院が反撃した。同病院のStephen Westaby氏らは、分析対象となったデータベースの質の低さを指摘、「安易なランキングの公表は医療の向上に結び付くとは思えない」との見解を示した。詳細は、BMJ誌電子版に2007年9月20日に報告された。

 英国では、Bristol王立小児病院で1995年までに手術を受けた先天性心疾患の幼児の術後死亡が有意に高かったと広く報道され、社会的政治的な問題となり、英国の医療改善に向けた動きに大きな影響を及ぼした。

 2004年にLondon大学Imperial Collegeの研究者たちが、Bristol病院の術後死亡率の分析に用いられたと同じデータベースであるHospital Episode Statistics (HES)を分析対象とした論文をBMJ誌に発表(論文はこちら)。個々の患者のリスクを考慮しない状況で、各病院の、生後12カ月未満の先天性心疾患患者の開胸術後30日の死亡率を全体の平均値と比較すると、1991~2002年の期間のOxford病院の値は有意に高い、という報告は、一般メディアにも広く取り上げられた。

 著者らは、より正確な死亡率の比較を行い、名誉挽回を図ろうと考えた。HESは、イングランド内の11の先天性心臓手術センターで手術を受けた患者の、手術に引き続く入院期間中の死亡しか登録していない。

 著者らは、全英の3次医療機関をカバーするデータベースCentral Cardiac Audit Database (CCAD)に注目。2000年の開始から1年間のデータを元に術後30日と術後1年の死亡率を比較した研究では、全英13カ所の3次医療機関で死亡率に有意差なしと報告されていた。

 そこで2000年4月1日から2002年3月31日に、これらのデータベースに登録された11医療機関の生後12カ月未満の先天性心疾患幼児の開胸術後30日の死亡率を主要エンドポイントとする比較研究を行った。

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