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うつ病はどれだけ健康レベルを低下させるか
WHOの大規模調査結果より

 うつ病は他の身体疾患に比べても健康レベルの低下に大きな影響をもたらしていることが、世界保健機関WHO)の大規模調査で明らかになった。疾病負担を減らすためにも、うつ病対策が公衆衛生上取り組むべき課題の中で優先順位が高いことを示す結果だ。WHOのSaba Moussavi氏らの報告で、詳細はLancet誌2007年9月8日号に掲載された。

 うつ病の有病率は2~15%と報告されている。WHOの推計では、うつ病は2000年には総DALYs (障害調整余命年数)の4.4%を占め、疾病負担の第4位になっていた。非致死的な疾病負担においては、うつ病が占める割合はさらに大きく、総YLDs(障害共存年数)の約12%だった。さらに2020年までに、うつ病は疾病負担の第2位になると予想されている。
 
 著者らは、うつ病が単独で、また併存疾患となっている場合の健康全体に対する影響を明らかにするため、WHO世界保健調査(WHS)のデータを分析した。WHSは18歳以上の成人を対象に、健康状態、健康関連アウトカム、それらの決定要因について面接調査したものだ。対象は世界のすべての地域を網羅する60カ国の24万5404人。

 分析の結果、うつ病と、身体的な慢性疾患(狭心症関節炎喘息糖尿病)の有病率は、単独では糖尿病が最も低く2.0%、うつ病が3.2%。喘息3.3%、関節炎4.1%、狭心症が4.5%だった。慢性身体疾患とうつ病が併存する患者を調べたところ、喘息患者におけるうつ病併存率が最も高く18.1%だった。そのほか糖尿病患者の9.3%、関節炎患者の10.7%、狭心症患者の15.0%がうつ病だった。

 なお、対象者の7.1%は2つ以上の慢性身体疾患を抱えており、うち23%がうつ病もあった。このように、身体疾患がある患者のうつ病有病率は、身体疾患がない患者(うつ病単独は3.2%)より有意に高かった(P<0.0001)。

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