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2型糖尿病スクリーニングの心理面への悪影響はわずか
英国のADDITION試験のデータ分析より

 無作為化試験で糖尿病スクリーニングを受ける人々の不安や健康意識を調べた英Cambridge大学のHelen C Eborall氏らは、スクリーニングに参加すること、さらに再検査を繰り返すことが、受検者の心理面に及ぼす影響はわずかであると結論した。詳細は、BMJ誌2007年9月8日号に報告された。

 スクリーニングは、その利益が、あらゆる身体的精神的な悪影響を上回らなければならない。実施に先駆け、受検者のすべてを対象に、スクリーニングから続く診断、治療が心理面に及ぼす影響を総合的に評価する必要がある。他の疾患では、陽性判定を受けた人に、自己評価による健康レベルの低下や欠勤増加が見られたとの報告があるが、糖尿病に関する情報は十分ではなかった。

 そこで著者らは、プライマリケアで行う段階的な2型糖尿病スクリーニング、さらに陽性者に対する強力な治療について、費用対効果の評価を主目的として行われたADDITION (Anglo-Danish-Dutch Study of Intensive Treatment in People With Screen Detected Diabetes in Primary Care)の一部として、心理面に焦点を当てた分析を行った。

 ADDITIONは、イングランド東部の15のプライマリケア施設で行われた無作為化比較研究。10カ所がスクリーニング施設、5カ所が対照施設とされた。対象は、40~69歳で、2型糖尿病ではないが、医療記録に基づいて推計された2型糖尿病リスクが最高四分位群に属する7380人。6416人にスクリーニングを呼びかけ、残る964人を対照群とした。

 スクリーニング初回は、ランダムな血液検査を実施。測定値が5.5mmon/L以上となった人に通知し、空腹時血糖値検査を勧めた。その結果が6.1mmol/L以上、または5.5-6.1mmol/Lで糖化ヘモグロビンが6.1%以上の人には75gブドウ糖経口負荷試験(OGTT)を実施するとともに、臨床的、人体計測学的、生化学的検査も行い、WHOの基準に基づいて診断を下した。

 スクリーニングの案内を送付した6416人のうち、2046人は検査を受けなかった。検査を受けた4370人に質問票を送付し回答を依頼。3~6カ月時と12~15カ月時にも同様に質問票による調査を実施した。対照群(2046人)にも相当する時期に質問票を送付して回答を求めた。

 介入群では、初回スクリーニング陰性が2583人、陽性は1787人だった。陽性者のうち129人は空腹時血糖値検査を受けなかった。空腹時血糖値検査が陰性は1297人、陽性は361人。うち65人はOGTTを受けなかった。OGTTを受けた296人のうち陰性は146人。陽性で2型糖尿病と診断されたのは150人だった。

 質問票が明らかにしたのは以下の主要アウトカム評価指標のスコアだ。
・Spielberger状態不安検査に基づく状態不安のレベル
・HADS (hospital anxiety and depression scale)による一般不安と抑うつ状態のレベル
・Lermanの癌不安スケールに手を加えた評価指標による糖尿病特異的な不安のレベル
・健康状態の自己評価(極めてよい、非常によい、よい、まあまあ、よくない)

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