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葉酸とビタミンBは腎疾患患者の死亡と血管イベント低減に無効
血漿ホモシステイン濃度は36%が正常域に

 慢性腎疾患患者を対象とする観察研究で、血漿ホモシステイン濃度高値は死亡と心血管疾患の危険因子であると報告されている。では、血漿ホモシステイン濃度を下げれば、死亡と血管イベントは減少するのだろうか。血漿ホモシステイン濃度を下げる目的で葉酸ビタミンBを投与して、死亡と血管イベントが減少するかどうかを調べる無作為化試験の結果、血漿ホモシステイン濃度は下がっても、これらイベントの5年発生率に有意差はないことが示された。米国Stanford大学のRex L. Jamison氏らの報告で、詳細はJAMA誌2007年9月12日号に掲載された。

 慢性腎疾患または末期腎疾患ESRD血液透析または腹膜透析を持続的に受けている)患者の血漿ホモシステイン濃度は高く、血管疾患の有病率や死亡率も高いため、葉酸とビタミンB6、B12の作用の評価に適した集団と考えられる。そこで著者らは、進行した慢性腎疾患患者とESRD患者を対象に、高用量の葉酸とビタミンBを毎日投与して、死亡率と血管イベント発生率への影響を調べることにした。

 二重盲検の無作為化試験は2001~2006年に米国36カ所の退役軍人医療センターで行われた。対象者は、21歳以上で、ホモシステイン濃度が15μmol/L以上と高値を示す腎疾患患者2056人。内訳は、進行した慢性腎不全(クレアチニン・クリアランスが30mL/min以下)の1305人と末期腎疾患の751人。これら対象者を無作為に、葉酸40mg、ビタミンB6 100mg、ビタミンB12 2mg含むカプセル(1032人)またはプラセボ(1024人)に割り付け、1日1回服用させた。

 主要アウトカム評価指標は全死因死亡とした。2次アウトカムは、心筋梗塞、脳卒中、下肢の切断のそれぞれのイベント発生率と、これらに全死因死亡を組み合わせた複合アウトカム、慢性腎疾患だった患者が透析を開始したかどうか、血液透析を受けていた患者の動静脈瘻または動静脈グラフトの血栓症の発生率とした。

 治療群の服薬遵守率は1年時が90.3%、2年時87.6%、3年時85.3%で、一方のプラセボ群も90.7%、87.2%、86.5%と、いずれも高かった。

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