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心筋梗塞患者の糖尿病発症リスクは高い
発作後の食事指導が重要に

 糖尿病患者の心筋梗塞リスクは、糖尿病でない人に比べて高いことはよく知られている。しかしその反対、心筋梗塞歴のある患者の耐糖能異常と糖尿病発症リスクはどうなっているのだろうか。米国Harvard大学のDariush Mozaffarian氏らは、糖尿病ではない心筋梗塞患者を追跡、一般の集団に比べて耐糖能異常と糖尿病の罹患率が高いこと、生活改善によりリスク低下が期待できることを示した。詳細は、Lancet誌2007年8月25日号に報告された。

 今回研究の対象となったのは、心筋梗塞既往者に対する魚油とビタミンEの作用を調べた無作為化試験「GISSI-Prevenzione研究」に登録したイタリア人。その中から、3カ月以内に心筋梗塞を起こした、糖尿病ではない(処方記録、医師による診断、空腹時血糖値が7mmol/L以上により判断 )8291人(平均年齢59歳、女性は13%)を選出。データは、追跡時の受診(0.5、1.0、1.5、2.5、3.5年)の際に前向きに収集された。

 ベースラインで、人口統計学的特性、心血管危険因子、処方記録、食習慣、空腹時血糖値などの情報を得、心エコー、運動負荷試験、冠血管造影を行った。登録時に食事指導が行われ、地中海ダイエットに沿った食事として、低脂肪の肉と魚、果物と野菜、豆類、全粒穀物、オリーブオイルの摂取を推奨。地中海ダイエットを選んだのは、短期間の無作為化試験で、インスリン感受性の改善が示されていたからだ。

 新規発症糖尿病の定義は、糖尿病治療薬の投与開始または空腹時血糖値が7mmol/L以上となった場合とした。耐糖能異常は、空腹時血糖値が6.1mmol/L以上で7mmol/L未満とした。追跡時にBMI、他の危険因子、食習慣、医薬品の使用に関する情報を更新。調理した野菜、生野菜、果物、魚、オリーブオイル、バター、チーズ、ワイン、コーヒーの摂取頻度に基づいて、地中海ダイエットスコア(0-15)を計算した。

 平均3.2年、2万6795人-年の追跡で、998人(12%)が新たに糖尿病を発症(1000人-年当たり37症例)、年間罹患率は3.7%となった。これまでに行われた集団ベースのコホート試験で、中年の白人を同程度の期間追跡して得られた年間発症率は0.8-1.6%で、心筋梗塞既往者におけるリスク上昇が示唆された。

また、ベースラインで耐糖能異常がなかった7533人に着目すると、2514人(33%)が追跡期間中に耐糖能異常(1745人)または糖尿病(769人)を発症した。1000人-年当たりの罹患率は、耐糖能異常と糖尿病では123症例、耐糖能異常のみでは85症例。 

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