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開発進むプレパンデミックH5N1ワクチン
アジュバントで抗原節減を達成

 新型インフルエンザパンデミックに対する備えの一つとして、プレパンデミックワクチンの開発が進んでいる。ベルギーGhent大学のIsabel Leroux-Roels氏らは、開発中のワクチンとアジュバントを健常人に投与し、安全性に加えて、抗原量が3.5μgと少量でも十分な血清転換率が達成できること、異なるクレードのウイルスに対する交差反応が多くの患者に誘導されることを確かめた。詳細はLancet誌2007年8月18日号に掲載された。

 全世界のワクチン製造能力には限界があるため、パンデミック用ワクチン開発において、抗原節減(antigen sparing)は重要だ。アジュバントの使用は抗原節減の有用な手段の一つと考えられている。そこで著者らは、組み換えH5N1スプリット・ワクチン(部分粉砕ウイルスからなるワクチン。抗原はヘマグルチニン)と専有のアジュバントを併用し、人に対して交差反応性のある免疫を付与できるかどうか調べた。

 対象となったワクチンは、GlaxoSmithKline Biologicals社がリバース・ジェネティクス法を用いて開発している組み換えH5N1株に基づく1価不活化スプリット・ワクチン。A/vietnam/1194/2004 (NIBRG-14)で、パンデミックワクチン開発用H5N1プロトタイプ推薦株となっている。

 アジュバントは、10%の水中油型乳剤からなり、油層は5%DL-α-トコフェロールとスクアレンを、水層は非イオン界面活性剤であるポリソルベート80(Tween80)2%を含む。

 ベルギーで18~60歳の健康な男女ボランティア計400人を登録し、約50人ずつ8群に分けて、アジュバント有り、または、なしで、3.8μg、7.5μg、15μg、30μgの抗原を21日間隔で2回筋注した。ベースラインと21日目、42日目に採血し、液性免疫反応を評価した。

 8通りの処方の安全性は、すべて良好で、重症の有害事象の報告はなかった。ただし、7日後の時点で、注射部位に症状が現れた被験者の頻度は、アジュバントを併用したグループで有意に高かった。疲労や頭痛などの全身症状が見られる頻度も、アジュバント併用群で高い傾向が見られたが、有害事象のほとんどは一過性で、軽-中症だった。2度目の接種後の有害事象の頻度と程度も、初回接種後と同様だった。

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