日経メディカルのロゴ画像

職業性喘息は成人発症喘息の1割以上を占める
13カ国が参加したECRHS-IIの結果

 成人発症喘息の一部は、肺刺激性物質職業曝露が原因と考えられているが、実際にどの程度を占めるのだろうか。スペインのバルセロナ市立医学研究所のManolis Kogevinas氏らが、13カ国の人々を対象に、成人発症喘息と職種、職場における喘息関連物質の曝露、急性の吸入事故の関係を調べる前向き研究を行った結果、1年間に100万人当たり248~303人が職業性喘息を発症していることが示唆された。詳細は、Lancet誌2007年7月28日号に報告された。

 1990~95年に行われたEuropean Community Respiratory Health Survey(ECRHS)の結果は、農業、塗装業、清掃業など、特定の職種の人に喘息が多いこと、さらにすべての成人発症喘息に対する職業上の曝露の人口寄与リスクは約9%と推算された。このECRHS終了後10年を経て、著者らは、職場での曝露が喘息発症に果たす役割をさらに詳細に分析し、相対リスクと寄与リスクを推算した。

 13カ国(オーストラリア、ベルギー、エストニア、フランス、ドイツ、アイスランド、イタリア、ノルウェイ、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国)でECRHSに参加した、当時20~44歳で、呼吸器症状が無かった、または喘息の既往が無かった6837人を選出し、1998~2003年に再度連絡を取り、ECRHS-IIへの参加を依頼した。

 参加者には、メタコリン吸入テストと喘息症状に関する質問に回答してもらい、喘息かどうかを判定。喘息新規発症の相対リスクは、年齢、性別、喫煙、施設で調整し、二項ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。その結果、喘息新規発症者は134人だった。

 曝露については以下のように定義した。ハイリスクの職業(パン屋、プラスチック産業、ゴム産業、塗装、化学加工、スプレー塗装、看護、理美容業、電気加工、溶接、金属加工、農林業、清掃業など)、喘息特異的曝露物質(ラテックス、小麦粉などの高分子量の物質、イソシアネートや特定の物質の無水物など低分子量の物質、カビやエンドトキシンなどの空気中に浮遊する生物由来粒子状物質:バイオエアロゾル、職場環境に存在する金属加工液、刺激性のガスまたは煙、繊維製品や、農業で使用される有機粒子など)、自己申告された急性吸入事故(高レベルの蒸気、ガス、塵、煙など)。

この記事を読んでいる人におすすめ