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閉経から15年後のホルモン補充療法開始でリスク上昇
WISDOM試験の結果

 更年期障害の治療を目的とするホルモン補充療法(ERTまたはHRT)ではなく、閉経女性の病気予防を目的としてホルモン補充を長期間行うことの是非については以前から議論がある。英国MRC General Practice Research FrameworkのMadge R Vickers氏らは、平均年齢63歳、閉経から約15年を経たエストロゲン欠乏症状のない女性たちにホルモン補充療法を行うと、心血管イベントと静脈血栓塞栓症のリスクが有意に上昇することを示した。詳細は、BMJ誌電子版2007年7月11日に報告された。

 更年期障害の治療には、エストロゲン補充療法(ERT:エストロゲン単独)またはホルモン補充療法(HRT:エストロゲン製剤+黄体ホルモン製剤)が用いられる。エストロゲン欠乏症状のある閉経時期の女性では、ERTにより、冠疾患、乳癌、糖尿病、骨粗鬆症による骨折のリスクが減少する可能性が示唆されていた。

 一方で、50~79歳の閉経女性を対象に、ホルモン補充療法の病気予防に関するリスクと利益を評価した大規模研究、Women’s Health Initiative(WHI)スタディの結果は、プラセボ群に比べ治療群で、脳卒中、肺塞栓、乳癌リスクが上昇、股関節骨折と大腸癌リスクは減少することを示した。リスクは利益を上回ると考えられ、この試験は早期中止となっている。

 Vickers氏らは、より年齢の高い女性に対するホルモン補充療法の長期的なリスクと利益を評価すべく、二重盲検の多施設無作為化比較試験(WISDOM)を進めていたが、WHIの中間結果発表を受け、こちらも早期に中止された。

 WISDOMは、英国、オーストラリア、ニュージーランドの一般開業医の協力を得て行われた。HRTとプラセボ、ERTとHRTの比較を目的とする試験の対象は、50~69歳の閉経女性(過去12カ月間月経無し、または子宮摘出術を受けた女性)。治療期間を10年に設定していたが、早期試験中止が決まった時点で、追跡期間の中央値は11.9カ月(6498人-年の追跡)、治療中の被験者は、5692人(目標とした2万2300人の26%に相当、平均年齢62.8歳)だった。

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