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冠疾患と最強の関係を持つ遺伝子座を同定
2件の大規模全ゲノムアソシエーション解析のデータ解析の結果

 冠動脈疾患にかかわる遺伝子の探索は精力的に行われているが、冠疾患または心筋梗塞の病原遺伝子はいまだ特定されていない。英Leicester大学のNilesh J. Samani氏らは、冠動脈疾患に強力にかかわる染色体上の遺伝子座を同定するために全ゲノムアソシエーション解析を行い、この病気に関係すると考えられる複数の遺伝子座を同定した。詳細は、NEJM誌電子版に2007年7月22日に報告された。

 分析の対象としたのは、ウェルカムトラスト・ケースコントロール・コンソーシアム(WTCCC)が得たデータと、ドイツ心筋梗塞家族研究の結果。WTCCCは、1万4000人の患者と3000人のコントロールを対象に全ゲノム解析を行い、7つの一般的な疾患に関わる遺伝子の探索を進めてきた。先に、複数の遺伝子座がCADに関連すると見なされたが、真に陽性か偽陽性かを明らかにすることは容易ではない。そこで著者らは、ドイツ心筋梗塞家族研究のデータを組み合わせて詳細な分析を試みた。

 両研究とも患者群は、初回イベント時の平均年齢が50歳程度で、明確な家族歴がある欧州人(白人)を対象としていた。WTCCCは、66歳前に心筋梗塞か冠動脈血行再建術を経験した患者で、明確な家族歴がある1926人のケースと、コントロール2938人を登録。ドイツ心筋梗塞家族研究は60才未満で心筋梗塞歴があり、1親等の家族に早発性冠疾患患者がいる875人の患者と、1644人のコントロールを登録していた。

 いずれも研究も、ジェノタイピングには、Affymetrix社の「GeneChip Human Mapping 500K Array Set」を使用。これは、ヒトの全染色体に渡って存在する50万個の一塩基多型(SNPs)を一度に解析できるマイクロアレイ・セットだ。

 著者らは、WTCCC研究で、CADとの間に有意な関係が見られた(P<0.001)常染色体上に存在する一塩基多型(SNPs)396 個について、偽陽性を除外するためにFPRP(※1 文末参照)を推算。FPRPが0.5未満で、その上流と下流100kb以内に存在するSNPsについてもFPRPが0.5未満、P値が0.001未満という条件を満たした9領域を単一遺伝子座と考えた。これら9遺伝子座にクラスターを形成していたのは30個のSNPsだ。

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