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冠動脈血管造影の癌リスク上昇は無視できず
20歳女性にCTCA1回実施の癌寄与リスクは0.7%も

 広く用いられるようになったCTによる冠動脈血管造影CTCA)は、癌リスクをどの程度上昇させるのか。

 1回のCTCAが癌リスクにもたらす影響を性別、年齢別に評価した結果、生涯寄与リスクは20歳の女性で最も高く、0.7%にも上ることが示された。シミュレーションによる推算値ではあるが、この数字は癌患者約143人中1人がCTCAによる発癌であることを意味しており、決して無視できないレベルだ。米国Columbia大のAndrew J. Einstein氏らの報告で、詳細はJAMA誌2007年7月18日号に掲載された。

 胸痛を訴えて救急部門を訪れる患者の多くにCTCAが実施される。CTCAは約20分で完了することから、到着直後に、他の検査に先駆けて行われることが多い。米国では救急部門で年間約600万人にCTCAが施行されている。しかし、実際に急性冠症候群と診断されるのは、そのうちの15~25%に過ぎない。

 一方、検査による被曝が癌リスク上昇をもたらすかどうかについては、定量的なデータはほとんど無かった。2006年に公表された、米科学アカデミーのBiological Effects of Ionizing Radiation(BEIR)VIIの第7報告は、低線量の被曝でも癌リスク上昇があることを示したデータに基づいて、低線量曝露のリスク推算のための「直線的な閾値なしのリスクモデル(LNTモデル)」を提案した。

 著者らは、このモデルを用いて、1回の64スライスCTCAによる被曝の、癌罹患の生涯寄与リスク(LAR)を推算し、年齢、性別、CTのプロトコールによってリスクに差があるかどうか検討した。

 CTプロトコールは、
・標準的な心臓CTCA検査
・心電図同期管電流調整法(ECTCM:管電流35%減により被曝を低減できる)
・心臓と大動脈の両方を評価(冠動脈バイパス術を受ける患者に適用、または、胸痛の原因が冠動脈疾患、大動脈解離、肺塞栓である可能性を想定、一度に調べるtriple rule-outの場合に用いられる)
などとした。

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