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旅客機内の気圧調節で体調不良が解消されるか
6000フィート以下の気圧で不快感は減少

 旅客機の客室内の気圧は、標高8000フィート(2438メートル)に相当する565mmHgより下がらないよう保たれている。米国Boeing社のJ. Michael Muhm氏らは、客室内の気圧と乗客の体調の関係を調べる前向き試験を、低圧室を使って行い、不快感を訴える乗客は7000~8000フィートに相当する気圧で増加することを示した。詳細は、NEJM誌2007年7月5日号に報告された。

 これまで、8000フィートまでの気圧なら、健康な人に悪影響は及ばないと考えられてきた。気圧を高くすると飛行機の燃料効率が悪化するため、機内の気圧は8000フィートに近い状態に維持される。

 長時間のフライトでは、高山病に似た症状を訴える乗客がいる。著者らは、急性高山病が発生する気圧と飛行中の客室内の気圧が同等であることから、機内でも急性高山病が起きているのではないかと考えた。高山病の発症機序は明確ではないが、低圧性の低酸素症が関与するといわれているためだ。

 著者らは、成人ボランティア502人を対象に、前向きの単盲検比較試験を実施した。低圧室で、ノンストップフライトとしては最長と考えられる20時間の模擬飛行を経験させ、気圧のみが変数となる状態で、動脈血酸素飽和度(パルスオキシメーターで測定)、急性高山病の発生(Acute Mouontain Sickness-Cerebral:AMS-Cスコアが0.7超)、不快感(Environmental Symptoms Questionnaire IV: ESQ-IVを用いて、高山病の症状の他、筋肉症状、体力の消耗、疲労、寒冷ストレス、苦痛、耳鼻喉の不快感、覚醒レベルなどについて評価)を比較した。

 用いられた気圧は、以下の5通りで、それぞれの気圧に約100人の被験者を割り付けた。

・海抜650フィート(198メートル)相当の742mmHg
・4000フィート(1219メートル)相当の656mmHg
・6000フィート(1829メートル)相当の609mmHg
・7000フィート(2134メートル)相当の586mmHg
・8000フィート(2438メートル)相当の565mmHg

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