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外科研修医のほとんどが針刺し損傷を経験
報告は半数どまり、「時間がない」のが問題

 米国の外科研修医を対象とした調査の結果、5年の研修期間を終えるころには、ほぼすべての外科医針刺し事故を経験していること、血液感染が強く懸念される状況でも半数は事故発生を報告していないことが明らかになった。

 米国でも、針刺し損傷の発生率に関する情報は限られている。米Johns Hopkins大学のMartin A. Makary氏らは、外科研修医を対象に針刺し事故の発生件数、事故が適切に報告されたかなどについて調査し、原因と対応策を探った。詳細は、NEJM誌2007年6月28日号に報告された。

 米国では、医療従事者が注射針、縫合針、鋭利器材などによって経皮的損傷を受ける事故が、年間60万件から80万件起きている。事故はストレスの原因となり、本人とパートナーの健康を危険にさらす。事故発生後の適切な報告は、感染リスクに関するカウンセリング、検査、2次感染の予防、早期治療の実施と不安の軽減、法的補償に必須だ。

 著者らは、17医療施設で研修中の外科医を対象に、針刺し損傷歴について調査した。卒後年数が様々な702人(うち215人が女性)の外科医が回答した。

 基本的な調査項目は、卒後年数、性別、過去に経験した針刺し損傷の回数、ハイリスク患者(HIV、HBV、HCV感染歴がある、または静注薬物乱用歴がある患者など)が関係していた針刺し損傷の回数、血液感染する病原体の中で最も恐ろしいと思うものは何か、とした。

 次に、最近発生した針刺し損傷について、被雇用者保健サービスに報告したかどうか、ハイリスク患者が関係していたかどうか、考えられる事故原因、周囲の状況、報告しなかったケースについてはその理由、事故発生を知る人が他にいるか、などについて尋ねた。

83%が研修期間中に針刺し、1人当たり平均回数は3.8回
 その結果、699人の回答者のうち582人(83%)が研修期間中に針刺しを経験していた。1人当たりの平均回数は3.8回にも上った。

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