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妊娠初期のSSRI曝露による先天異常リスクはわずか
先天異常登録のデータ分析の結果

 妊婦の約1割が臨床的なうつ病を経験するといわれ、それらの患者の多くに抗うつ薬が投与される。特定の選択的セロトニン再吸収阻害薬SSRI)を妊娠中に使用すると先天異常リスクが高まるという報告が複数ある。しかし今回、先天異常登録のデータを分析し、妊娠3カ月までのSSRI曝露による先天異常リスク上昇はわずかであることが示された。米Boston大学のCarol Louik氏らの報告で、詳細はNEJM誌2007年6月28日号に掲載された。

 分析対象となったのは、医薬品の使用と先天異常の関係を調べるために現在進行中のケースコントロール調査、Slone疫学センター先天異常研究のデータベースだ。1976年から、米国とカナダの5都市で、種々の先天奇形を持って生まれた小児を登録、母親を対象に、妊娠2カ月前から出産までの期間の、喫煙、飲酒、カフェイン摂取や、医薬品の使用などについて聞き取り調査を行っている。

 今回の研究は、1993年から2004年に妊娠し、最期の月経の28日前から112日後までの間にSSRI 1剤を使用した女性を対象とした。SSRI以外の抗うつ薬の使用歴についても調べた。出生異常が見られた小児については、遺伝性疾患、染色体異常、先天代謝異常、原因が明らかな異常(胎児性アルコール症候群など)の患者を除いた。

 SSRI曝露との関係を評価したのは、これまでにSSRI曝露と関連付けられた疾患と、患者が100人以上見付かり、その中に曝露者が5人以上含まれていた疾患。妊娠初期にSSRIを使用した妊婦から生まれた9849人の小児と、SSRI曝露がなかった5860人の小児の出生異常の状況を比較した。

 過去にSSRIとの関係が報告されている以下の疾患について、交絡因子候補で調整したオッズ比を求めたところ、有意なリスク上昇は見られなかった。

頭蓋骨縫合早期癒合症(患者は115人、SSRI曝露は2人、オッズ比0.8、95%信頼区間0.2-3.5)
臍帯ヘルニア(患者は127人、曝露者は3人、オッズ比1.4、0.4-4.5)
先天性心疾患(患者は3724人、曝露者は100人、オッズ比1.2、0.9-1.6)


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