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【第61回日本食道学会学術集会】
「ぜん動運動する人工食道」に期待集まる
東北大「スーパー食道ステント」の開発状況を報告

「この人工食道は、末期癌や進行癌でも何とかしたいという医師、患者の要望に応えるものだ」と話す東北大の山家智之氏。

 東北大加齢医学研究所教授の山家智之氏は、6月22日、ぜん動運動する人工食道と組み合わせて使う「スーパー食道ステント」の開発状況を、第61回日本食道学会学術集会で報告した。日本での開発協力企業も決定し、今後、厚生労働省の認可を待って臨床実験を開始する予定。装置一式の価格は100万円程度になる見込みだ。

 食道ステントは、癌による食道狭窄または食道に瘻孔が開いたときに、食物が通過するスペースを確保する目的で設置するもの。しかし従来の金属製の食道ステントは、飲み込んだ食物が途中で詰まりやすいという問題を抱えていた。山家氏らが今回開発経緯を報告した新しい食道ステントは、ステントの内側にぜん動運動する人工食道を装着し、食べ物を一定方向へと流すことで、この問題を克服しているのが特徴だ。

 ぜん動運動する人工食道は、山家氏ら東北大のグループが、2005年11月に開発し特許を取得。通電による温度上昇によって縮む性質を持つ形状記憶合金を、人工食道の外側に間隔をおいて巻きつける。これに順次、通電することで合金を伸び縮みさせ、ぜん動運動を実現する(動画1)。バッテリーはなく、胃に留置した名刺大の受信部に、外部から磁気エネルギーを供給することで発電する。

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