長引く咳の原因として、かなりの割合で百日咳感染が含まれている可能性が示された。大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターアレルギー内科の山口統彦氏らの調査で、2週間以上続く咳症状を主訴とする患者の約4分の1で、百日咳感染が疑われることが分かった。第19回日本アレルギー学会春季臨床大会で山口氏が6月10日に発表した。
百日咳抗体価160倍以上が4分の1
調査の対象は、2週間以上続く咳を主訴に受診した患者で、他の気質的疾患が疑われる患者を除外した約300人。肺炎や心因性咳嗽、副鼻腔炎、逆流性食道炎など他疾患による咳を疑った場合には、先にその疾患の確定診断や診断的治療を行い、それでも咳症状が軽減しなかった症例を対象とした。
これらの症例に百日咳抗体価検査(東浜株、山口株)を行い、同時にマイコプラズマ抗体価とクラミジアニューモニアエ抗体価を調べると同時に、喀痰細菌検査、呼吸機能検査なども実施。その中で、百日咳抗体価陽性だった患者の特徴や臨床経過を調べた。
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