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C.difficile毒素検出用の新キット発売
2種類の毒素を同時に検出、検査効率が向上(8/2 補足・訂正)

クロストリジウム・ディフィシル毒素の簡易迅速検出キット TOX A/B QUIK CHEK「ニッスイ」

 日水製薬は6月1日、C.difficileクロストリジウム・ディフィシル※1の毒素を検出する簡易検査キット「TOX A/B QUIK CHEK」を発売した。このキットは、C.difficileが産生する毒素のうちトキシンAとトキシンBの2種類を検出できるのが特徴で、従来のトキシンAしか検出できなかったキットに比べて検出効率の向上が期待できる。

 C.difficileは、偽膜性腸炎の起炎菌であるグラム陽性桿菌。腸内細菌として健常人の7%程度に定着しているが、抗菌薬を服用して腸内細菌叢のバランスが崩れると、優占化して毒素を放出、腸炎を引き起こすことが知られている。芽胞を形成するため、アルコールをベースとした一般的な消毒薬や煮沸消毒が無効。感染者の便などを介して感染が拡大し、院内感染を起こしやすい。

 最近では、重篤な腸炎を引き起こすC.difficileの強毒株が日本でも確認され、その対策が急務となっている(関連記事:『日経メディカル』2007年5月号、28-29ページ → こちらからpdfファイルをご覧いただけます)。実際、この4月には、厚生労働省が都道府県などの院内感染対策主管課に対し、C.difficileに関する院内感染対策を徹底するよう求めている。

 「TOX A/B QUIK CHEK」を使った検査に必要なのは、試験管(未滅菌で可)、ボルテックスミキサー、タイマーの3点。試験管に糞便検体と付属の試薬を入れて撹拌した後、チップに検体と試薬を順次滴下すると、合計30分ほどで結果が出る。判定は、陽性か陰性のみ。検出された毒素がトキシンAかトキシンBかは判別できない。

 C.difficileに詳しい国立感染症研究所細菌第2部主任研究官の加藤はる氏は、「従来の検査キットは、トキシンAしか検出せず、トキシンBのみを産生するC.difficileは、キットでは検出できなかった。特に、日本の病院では、トキシンA陰性トキシンB陽性菌株※2の臨床分離は少なくない。これまでは、C.difficile感染症であっても毒素検査で陰性になることがあったので、一度に両毒素を検出できるのはとても便利だ」と評価する。

 メーカー希望納入価格は、25回分で2万4500円。保険点数は、検査実施料として70点(D012 10:感染症免疫学的検査・クロストリジウム・ディフィシル抗原)、検査判断料として144点(D026 5:免疫学的検査判断料)を算定できる。

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