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【第80回日本産業衛生学会速報】
メンタル不調による長期欠勤と復職
初の全国調査でその実態が明らかに

 大阪で開催中の第80回日本産業衛生学会の口演発表で4月26日、メンタルヘルスの不調を原因とする会社員の長期欠勤とその職場復帰に関する国内初めての全国調査(以下、MHプロジェクトと略)の結果が、4人の演者によって報告された。

 MHプロジェクトは、産業医の全国組織であるサンユー会の学術委員会が実施しているもので、(1)会員である703人の産業医を対象とする復職制度に関する調査と、(2)参加登録した会員の職場で発生した個別の長欠・復職事例に関する背景調査から成る。昨年春に行われた第1回調査には39の事業場が参加。これらの事業場が健康管理の対象としている社員は約11万8300人に上る。

 今回は、岩崎明夫氏(産業医大産業生態科学研究所)がプロジェクト全体のデザインや(2)の調査で判明した復職発生率について、藤岡滋典氏(日本生命本店健康管理所)が復職者の特徴について発表した。(1)に関しては、赤築綾子氏(三井化学大阪工場健康管理室)と中西一郎氏(東レ滋賀事業場健康管理センター)が報告した。

 まず岩崎氏は、調査期間中にメンタルヘルスを原因として1カ月以上欠勤後、復職した社員は124人を数え、その発生率(社員1000人当たり・年間)は4.19人になったと報告した。復職発生率が最も高いのは男性では40歳代の7.14人、女性では20歳代の7.43人だった。

 次いで藤岡氏は、これらの復職者について、(1)欠勤期間は2~3カ月が最多で20.8%を占めるが1年以上も9.6%、(2)診断名は気分障害が大部分で80.8%、(3)主な要因としては、量的・質的な業務負荷が35.2%と最も多く、次が職場の人間関係、(4)復職時にはほぼ全員に対し産業医による面談が行われ、復職時の残業制限は9割近くで、業務転換・職場異動はいずれも約3分の1で実施されている――などの結果を紹介した(表1、2)。

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