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CT読影の増大で放射線「死んだん」?
医学放射線学会シンポで現場から悲鳴

 「X線CTの多列化や高速化は、短時間での撮影を可能にし精緻な画像をもたらしてくれた。しかし、それに伴って放射線科医の読影量が膨大になり、精神的に追い込まれている医師もかなりいるはずだ。抑うつ状態になって、『死ぬしかない』と思い詰めるようになれば、これは放射線“死んだん”だ」――。

 4月13日から横浜市で始まった第66回日本医学放射線学会学術集会。合同シンポジウム「放射線医学の光と影」で、国立がんセンター中央病院の楠本昌彦氏はこう語り、会場は笑いの渦に包まれた。

 このシンポは、物事には必ず良い面もあれば悪い面もあるという考え方に立ち、X線CTやMRI、放射線治療など5つの点について議論しようというもの。「光と影」は大会メーンテーマでもあり、会長の中村仁信氏(阪大教授)もこのテーマに沿って講演した。

 冒頭の発言はX線CTの「光と影」だが、シンポジストの楠本氏は、放射線科医の疲弊は極めて深刻な問題だと真剣に問題提起をしている。同氏が所属する国立がんセンター中央病院では、ここ7~8年で読影量が3~4倍に増えて放射線科医が労働強化になり、2006年度には、それが原因で撮影枚数を減らさざるを得なかったという。また、徳島大病院でも、2005年には2003年の4倍の読影量になったと指摘した。

 その結果、放射線科医は退職を考えたり、あきらめ・適当・開き直りの境地になっているという。楠本氏は、名案はないと断りながらも、「画像診断の限界や見落としをゼロにはできない現実を、国民に周知してはどうか」と提言した。

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