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【第27回日本医学会総会】
「適塾」開いた大阪の医家、緒方洪庵
人材育て、天然痘予防にも尽力

史跡・重要文化財「適塾」(大阪市中央区北浜)。適塾は、1838年に開設された後、1845年にこの場所に移転した。最寄り駅は地下鉄御堂筋線・淀屋橋駅。

 今回の日本医学会総会が開催された大阪は、1838年に緒方洪庵適塾を開いた地でもある。それにちなみ、4月6日のシンポジウム、「適塾から先端医療まで、なにわの医学、過去から未来へ」では、緒方洪庵が話題の中心を占めた。

 例えば、放送大学教授の多田羅浩三氏は、当時幕府の直轄地として大名が配置されなかったことが、適塾の自由闊達な雰囲気の一因になったと指摘した。その上で、日本の公衆衛生の祖と言われる長与専斎(内務省の初代衛生局長)をはじめ、福沢諭吉、北里柴三郎など1000人にものぼる弟子を育てたことを紹介した。

 また、阪大元教授の芝哲夫氏は、洪庵が残した20ほどの著作のうち、日本で最初の病理学・病気の本である「病学通論」と、オランダの医学書に自分の考えをちりばめて和訳した「扶氏経験遺訓」の2冊を、優れた著作として評価した。また、洪庵の弟子が全国各地で大学医学部の開設や病院の建設、医学書の執筆などに活躍したことを紹介、日本の医学の立ち上がりに貢献したと讃えた。

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