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てんかん治療の新薬は第1選択薬になるか
英国のSANAD研究の解析結果より

2007/03/31
大西淳子

 てんかん治療においても複数の新薬が登場しているが、新たな薬剤を第1選択とするべきか、それとも既存の薬剤をそのまま使うのか。英Liverpool大学のAnthony G Marson氏らは、新旧の抗てんかん薬の有効性、安全性を比較、さらに増分費用効果比に基づく医療経済的有用性を評価した。Standard and New Antiepileptic Drugs (SANAD)と名付けられた研究の詳細を記した2つの論文は、Lancet誌2007年3月24日号に報告された。

 どの疾病領域でも、既存薬と新薬の厳密な比較が行われないまま、より高価な新薬の処方が増加する傾向がある。SANAD研究は、標準治療となる薬剤を見極めるための評価法の一つを提示した。

 人口の0.5-1%に見られるてんかんは、単一疾患ではなく、様々な疾病を背景とする。国際抗てんかん連盟(ILAE)の発作型分類で、全般てんかんに分類される患者(全体の30-40%を占める)には、バルプロ酸が第1選択になっており、分類が困難な部分てんかんまたは全般てんかんにも、バルプロ酸が第1選択として推奨されている。しかし、これを支持する無作為化試験由来のエビデンスは少ない。

 また英国では、新しい抗てんかん薬のラモトリジントピラメートが全般性強直間代発作に適用されているが、これらの有効性を比較した信頼できる研究結果はなかった。

全般てんかんにはバルプロ酸
 著者らは、特発性全般てんかんまたは分類不能てんかんの外来患者を対象に、3剤を比較する非盲検の無作為化比較試験を実施した。716人(平均年齢22.5歳、26.7%が分類不能てんかん)の患者を登録。いずれも、前年に2-3回のてんかん発作を経験し、カルバマゼピンよりバルプロ酸の方が第1選択として好ましいと主治医が判断したケースだ。1999年1月12日から2004年8月31日までの間に、バルプロ酸(238人)、ラモトリジン(239人)、トピラメート(239人)に無作為に割り付け、2006年1月13日まで追跡した。

 主要アウトカム評価指標は、割り付けから治療失敗(発作の管理が不十分、有害事象のいずれか、または両方に起因する治療中止、または、他の抗てんかん薬の追加投与開始)までの期間と、割り付けから寛解(発作なし)が1年間持続した時点までの時間とした。2次エンドポイントはQOL、費用対効果比などに置いた。

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