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子宮動脈塞栓術は再治療率が高い
早期社会復帰と再治療率のどちらを取るか?

 子宮筋腫への子宮動脈塞栓術UAE)は、子宮を残すことができる侵襲性の低い治療として1990年代から適用が増加しているが、標準治療である摘出術に比べて術後の患者のQOLに違いがあるのだろうか。

 英Gartnavel病院のRichard D. Edwards氏らは、子宮筋腫に対する標準治療である摘出術とUAEの、QOLへの影響に焦点を当て、症候性の患者を対象とする無作為化試験を実施した。得られた結果は、UAEは早期社会復帰を可能にするが、再治療を要する患者の頻度は手術に比べて高いことを示し、治療の選択にはそれぞれの利点と欠点の十分な比較が必要であることを明らかにした。詳細は、NEJM誌2007年1月25号に報告された。

 研究者たちは、英国内27病院で2000年11月から2004年5月まで、18歳以上で、MRIによる子宮筋腫の直径が2cm超、症候性(月経過多、骨盤痛、圧迫など)の患者を登録。2対1の割合で無作為にUAE(106人)と手術(計51人:43人が子宮摘出、8人が筋腫摘出)に割り付けた。

 主要エンドポイントは、治療から1年の時点のQOL(8領域、36の質問からなるSF-36を指標とする)とした。1年時のSF-36スコアは、8領域のすべてについて有意差はなかったが、治療から1カ月の時点では、SF-36のうち3領域(身体機能、日常役割機能、社会機能)において、UAE群の方が有意に良好だった(いずれもP<0.001)。

 2次エンドポイントについては以下の通り。

・24時間の時点の疼痛(linear analogue pain scaleを用いて評価):UAE群で有意に少なかった(P<0.001)。
・11ポイントからなる症状スコア:1カ月、1年後のいずれも、手術群の方が良好な数値となり、差は有意だった(それぞれP=0.004とP=0.03)。
・自分が受けた治療を友人に勧めるかどうか(満足度の指標):1カ月後、1年後とも勧める、と回答した女性の頻度に有意差なし。
・入院期間の中央値:UAE群の方が短く(1日と5日、P<0.001)、日常生活(お茶を入れる、食事の支度、車の運転、職場復帰、性行為)を再開するまでの時間も短かった(5項目すべてP<0.001)。
・追跡1年間に主要な有害事象(グレード3-5)を経験した患者:UAE群13人(12%)、手術群10人(20%)で有意差なし(P=0.22)。軽い副作用(グレード1または2)の頻度にも有意差はなかった(P=0.06)
・治療失敗(症状管理のために再治療を要したケース):UAE群では1年間に10人(9%)で、4人が再UAE、4人が子宮摘出術を受けた。UAE群には、1年を過ぎてから(追跡の四分位範囲は23-41カ月)再治療が必要になった患者も11人いた(3人が再UAE、8人が子宮摘出術)。一方、手術群で再治療が必要だったのは1人のみ。これは、筋腫摘出予定だったが子宮摘出に術式を変更せざるを得なかったケース。


 

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