日経メディカルのロゴ画像

診断に時間要する肺外結核
4割近くは1カ月以上、受診施設による大きな相違

「特に若年者で、原因が分からないまま症状が継続する患者には結核性胸膜炎を疑い、胸部X線撮影を行ってみてほしい」と話す日本医大第4内科の藤田和恵氏。

 肺外結核は診断が遅れる傾向があり、呼吸器内科などの結核診療の経験が多い診療科へ紹介されずに別の科を受診した場合に、診断が大幅に遅延する傾向があることが分かった。日本医大呼吸器・感染・腫瘍内科の藤田和恵氏らの調査でこのほど明らかになった。対象は1993~2005年までの12年間に、同大で診断・治療を受けた、肺外結核患者58人、結核患者30人。

 その結果、医療側の診断の遅れ(最初にいずれかの医療機関を受診したときから診断まで1カ月以上を要した症例)は、肺結核の26.7%に対して肺外結核は36.2%に上った。医療機関別にみると、最初に地域のプライマリ・ケア医を受診した患者の診断までの期間は平均6.7±7.9週(表1)。大学病院を受診した患者のうち、呼吸器内科を受診した患者は平均1.1±1.1週程度で診断されていたのに対して、呼吸器内科以外の科を受診した患者は診断までに7.8±10.7週も要していた。

 58人の肺外結核の内訳は87.9%が結核性胸膜炎、12.1%が結核性リンパ節炎、5.1%が栗粒結核などであった。藤田氏が呼吸器内科であることから結核性胸膜炎の割合が非常に高かった。また、年齢別では39歳以下が36.3%、40~59歳が25.8%と59歳以下が6割以上を占めた。結核性の胸膜炎は若年者に多く、39歳以下の患者ではほとんどが結核性胸膜炎だった(藤田氏)。

 肺外結核の大半を占める結核性胸膜炎は症状が発熱、全身倦怠感、体重減少、咳、痰など、特徴に乏しい症状であることが多いため風邪や疲労とされてしまうケースが非常に多い。特に若年者で、原因が分からないまま症状が継続する患者などには結核性胸膜炎を疑い、胸部X線などを撮ってみてほしい」(藤田氏)。

 さらに藤田氏は、「大学病院で呼吸器科以外の診療科に紹介された場合は診断が遅れる傾向にあった。大学病院の専門の細分化の弊害が浮き彫りになった形で、科ごとの連携を高めるなど反省すべき点は多い」と話している。

この記事を読んでいる人におすすめ