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eClinicalMedicine誌から
γ-GTは総死亡や心血管死亡のリスクに関連
交絡因子の肝機能マーカーや肥満を調整した大規模コホート研究

 英国Glasgow大学のFrederick K Ho氏らは、UK Biobank参加者のデータを利用した前向きコホート研究を行って、血中γグルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)高値は、他の肝機能マーカーのような交絡因子を調整した後でも、飲酒や肝機能障害だけでなく、総死亡や心血管関連死亡リスク増加とも関連が見られたと報告した。結果は2022年5月12日のeClinicalMedicine誌電子版に掲載された。

 γ-GTレベルは、肝機能障害のマーカーとして高感度だが、病因特異的ではない。γ-GT高値は肝疾患以外でも、心筋梗塞、心不全、心血管死亡率のリスク増加と関連が見られるとする報告もあるが、心血管アウトカムとの関連を報告した研究では交絡因子となるALT、AST、ALPといった肝機能マーカーの影響を調整できていなかった。そこで著者らは、UK Biobankの大規模コホートを追跡して、γ-GTが肝疾患だけでなく心血管疾患のリスク増加に関連するマーカーとしても有望かどうかを検討することにした。

 コホートの対象は、2007~10年にUK Biobankに参加した50万2493人。今回の研究目的に合わせて、γ-GTの検査値記録が残っていない人、既に心血管疾患の病歴がある人、アウトカムに影響する他の慢性疾患がある人、既にスタチン治療を受けている人、飲酒経験が全くない人などを除外した。そのため29万3667人を追跡対象とした。対象者の年齢は中央値で56歳、四分位範囲48~62歳、女性の割合が55.2%だった。

 コホート対象者を追跡して、γ-GT値と自己申告された飲酒量や肥満レベルとの関係を調べ、さらにICD-10コードK70~77の肝疾患、肝細胞癌、心筋梗塞、心不全、脳卒中の発症率との関連を検討し、死亡診断書を照合して総死亡率との関連も調べた。死亡の有無は、イングランドの参加者については2020年6月30日まで、スコットランドとウェールズについては2017年3月31日までの情報を得て判断した。

 γ-GTは一般に、高齢者、喫煙者、肥満者、飲酒量が多い人、加工肉と赤身肉の接種が多く果物と野菜の摂取が少ない人、身体活動量が少ない人で高かった。また、γ-GT高値の人では、総コレステロール、ALP、ALT、ASTが高く、HDL-c値は低かった。

 γ-GTは、BMI、ウエスト周囲径、その他の共変数で調整後も、飲酒量が多いことと強力に関係していた。また、飲酒量とウエスト周囲径で調整すると、BMIとγ-GTの関係は有意でなくなった。ウエスト周囲径は、男性ではγ-GTと線形の関係を示したが、女性では、ウエスト周囲径が100cm超の人のみγ-GTとの関係は有意だった。ウエスト周囲径でなくウエスト・ヒップ比を用いても、同様の結果になった。

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