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Ann Intern Med誌から
憩室炎の外来治療でキノロンを減らす代替案
アモキシシリン/クラブラン酸はメトロニダゾールとキノロン併用に劣らない

 米国食品医薬品局(FDA)は、フルオロキノロンには低血糖昏睡など重篤な有害事象の恐れがあるため、代替治療薬がない場合にのみ処方することを推奨している。米国North Carolina大学のCharles E. Gaber氏らは、2種類の大規模データベースを利用して、憩室炎患者の外来治療に用いる抗菌薬をアモキシシリン/クラブラン酸にすると、メトロニダゾールとキノロンを併用した場合に比べ、治療成績を落とすことなくキノロンによる有害事象のリスクを減らせると報告した。結果は2021年2月23日のAnn Intern Med誌に掲載された。

 憩室炎は一般的な結腸の疾患で、疼痛を伴い再発する患者が多い。急性の合併症として、膿瘍や穿孔が生じる可能性はあるが、患者の多くは、憩室の炎症のみを呈するため、外来で管理される。外来での抗菌薬投与は、急性症状の改善を促進し、腸閉塞や膿瘍、穿孔のリスクを低下させる。最も多く処方されているのが、メトロニダゾールとフルオロキノロンの併用で、アモキシシリン/クラブラン酸も用いられているが、これらの有効性と害を比較した研究はほとんど行われていない。

 そこで著者らは、外来で憩室炎患者にメトロニダゾールとフルオロキノロンを併用した場合と、アモキシシリン/クラブラン酸を投与した場合の有効性と害を比較するために、新規使用者を対象とする住民ベースの後ろ向きコホート研究を実施した。

 対象は、初めて憩室炎と診断され、外来で抗菌薬治療を受けた患者。外来での憩室炎の初回診断から3日以内に、メトロニダゾールとシプロフロキサシンまたはレボフロキサシンの併用処方およびアモキシシリン/クラブラン酸の合剤を処方されていた患者を選出した。18~64歳の患者はIBM MarketScan Commercial Claims and Encounters Databaseから、2000~18年の民間保険加入者データの中から選び出した。65歳以上の患者は、2007~15年のメディケアの保険請求データから20%をランダムサンプリングして選び出した。初回診断前に1年以上の診療記録がない人、既に憩室炎の病歴がある人、結腸切除術を受けたことがある人、免疫抑制状態の人などは除外した。

 比較するアウトカムは、診断から1年以内の憩室炎関連の入院、緊急手術、クロストリディオイデス・ディフィシル感染症(CDI)、診断から3年以内の待機的手術とした。追跡は、憩室炎の診断から14日目に開始し、イベントの発生、患者の死亡、データベースからの解除、終了期限日のいずれか最も早い時点まで行った。

 共変数は、憩室炎診断前1年間の人口統計学的特性、併用していた薬剤、併存疾患、医療の利用などとした。ロジスティック回帰モデルによる傾向スコアを用いて、逆確率による重み付け(IPTW法)を行って両群の交絡因子を調整した。

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