日経メディカルのロゴ画像

Ann Intern Med誌から
肥満者の減量手術は総死亡リスクを減らす
手術適応はあるが手術を受けなかった患者をマッチさせたコホート研究

 カナダMcMaster大学のAristithes G. Doumouras氏らは、同国オンタリオ州で減量手術を受けた患者と、減量手術の適応があるが手術を受けなかった人によるマッチドコホート研究を行い、減量手術には総死亡リスクを減らす効果が見られたと報告した。結果はAnn Intern Med誌電子版に2020年8月18日に掲載された。

 減量手術を受けた患者の死亡率についてはこれまでにもいくつか報告があったが、選択バイアスが存在する、追跡が不十分、交絡因子の調整が不十分、といった問題が指摘されていた。そこで著者らは、減量手術と総死亡率の関係を明らかにするために、カナダのデータベースを利用して、後ろ向きマッチドコホート研究を計画した。

 オンタリオ州では2010年からOntario Bariatric Network(OBN)が構築され、減量手術の候補者はかかりつけ医がOBNに紹介する仕組みになっている。減量手術適応がある患者を、手術群と通常ケア群にランダムに割り付けた試験に条件を近づけるため、コホート研究の対照群をOBNに紹介された患者の中から選び出して、条件をマッチさせることにした。

 手術コホートは、2010年1月から2016年12月までに実際に減量手術を受けた患者を組み入れ対象にした。年齢が70歳以上、BMIが35以下、2年以内の癌の病歴、緩和ケア対象者、臓器移植を受けたことがある患者、活動性の心疾患があるか6カ月以内に冠動脈再建治療を受けた患者などは除外した。

 非手術コホートは、かかりつけ医からOBNに手術の対象になるかどうか照会を受け、適応があると判定された患者を対象にした。手術群のIndex dateは手術を受けた日、非手術群のIndex dateはかかりつけ医からOBNに照会を受けた日とした。Index dateは3カ月以内、年齢は3歳以内、同じ性別、BMIの差は3以内、糖尿病罹病期間の差は12カ月以内という制限を設け、減量手術を受けた患者と各条件が最も近い患者を1対1の割合で選び出し、非手術群とした。

 交絡因子として、人口統計学データ、社会経済的状況、併存疾患、治療歴、喫煙習慣、薬物乱用、癌のスクリーニング、精神疾患歴などの情報を収集した。

 主要評価項目は総死亡率とした。副次評価項目は、死因別の死亡率とし、次の4つのカテゴリーに分類した。心血管死亡、癌死亡、その他の内科的疾患、事故や外傷などの外因死。

この記事を読んでいる人におすすめ