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Ann Intern Med誌から
カナキヌマブは変形性関節症の予後を改善
CANTOS試験の探索的分析で股関節や膝関節の全置換術発生率を比較

 スイスNovartis Institutes for Biomedical ResearchのMatthias Schieker氏らは、インターロイキン-1β(IL-1β)を阻害する抗体薬のカナキヌマブを用いて、心筋梗塞経験者の心血管イベント再発予防効果を調べたランダム化比較試験CANTOSに参加した人々のデータを探索的に分析し、カナキヌマブが変形性関節症に及ぼす影響を検討したところ、プラセボ群に比べ股関節や膝関節の全置換術(THR/TKR)が必要な患者の割合を減らしていたと報告した。結果は、Ann Intern Med誌2020年8月4日号に掲載された。

 インターロイキン-1β(IL-1β)は変形性関節症の炎症過程に重要な役割を果たすサイトカインだが、IL-1β阻害薬が変形性関節症のアウトカムを改善するかどうかは明らかではかった。そこで著者らは、CANTOS(Canakinumab Anti-Inflammatory Thrombosis Outcomes Study)試験に参加した1万61人のデータを用いて、THR/TKRの発生率を調べることにした。

 CANTOSは2011年から2017年までに39カ国の1091施設で行われた臨床試験だ。対象は心筋梗塞を起こした後の患者で、高感度CRPが2mg/L以上の人を対象に、カナキヌマブを3カ月ごとに皮下注射して、最長5年間追跡している。CANTOSの主要評価項目は、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死亡の複合エンドポイントだ。参加者は1対1対1対1.5の割合で、カナキヌマブ50mg群、150mg群、300mg群、プラセボ群に割り付けられた。

 今回はCANTOSのデータを用いて、平均値で3.7年間(最長5年間)の追跡中に発生した有害事象として報告されていたTHR/TKRの事例を評価することにした。主要評価項目は、初回のTHR/TKRまでの時間に、副次評価項目は、初回の変形性関節症関連の有害事象が発生するまでの時間に設定した。

 1万61人中の3344人がプラセボ群、2170人がカナキヌマブ50mg群に、2284人が150mg群に、2263人が300mg群に割り付けられていた。参加者のうち1569人(15.6%)は、ベースラインで変形性関節症歴を有していた。変形性関節症歴がある患者は、そうでない患者に比べ、高齢で、女性が多く、BMIは高く、腹囲は大きかった。ベースラインのhs-CRP値には差はなかった。

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