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Ann Intern Med誌から
DOACはワルファリンより骨折リスクが低い
香港で心房細動患者の骨粗鬆症性骨折を追跡したコホート研究

 香港大学のWallis C.Y. Lau氏らは、2010~17年に新たに心房細動(AF)と診断され抗凝固薬を使い始めた香港の患者コホートを追跡して、骨粗鬆症性骨折のリスクを調べ、ワルファリンよりも直接経口抗凝固薬(DOAC;アピキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン)を処方された患者の方が骨折リスクが低かったと報告した。結果はAnn Intern Med誌2020年7月7日号に掲載された。

 ワルファリンよりも出血リスクが低く、頻回の血中濃度モニターを必要としないため、近年ではAF患者の脳梗塞予防にDOACが推奨されるようになった。しかし、骨粗鬆症性骨折のリスクが高い高齢患者に、どの抗凝固薬を第1選択に勧めるべきかは明らかではなかった。そこで著者らは、香港のAF患者を対象に、抗凝固薬の種類別の骨折リスクを比較することにした。

 コホートの作成には香港医院管理局の電子健康記録CDARSを利用した。CDARSは740万人の住民と全入院記録の約80%をカバーしている。対象は、2010年1月1日から2017年12月31日までに心房細動と診断され、新たに抗凝固薬の治療を開始した18歳以上の患者。心臓弁膜症、甲状腺機能亢進、弁置換術の病歴がある患者などは除外した。ワルファリン、アピキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバンのいずれかを初めて処方された日をindex dateとした。index dateより前の90日以内にホルモン補充療法を受けていたり、骨腫瘍やてんかんの病歴がある患者も除外した。

 主要評価項目は、股関節部骨折と脊椎骨折をあわせた骨粗鬆症性骨折とした。骨粗鬆症ではなく、事故の外力による骨折の事例は除外した。追跡は、終了予定日(2018年12月31日)、骨折の発生、抗凝固療法の中止、抗凝固薬の変更、のいずれかまで行った。4種類の抗凝固薬使用者は、ランダム割り付けされていないため、バイアスを考慮して傾向スコアの逆数を用いて重み付けするIPTW(Inverse Probability of Treatment Weighted)法を用いた。スコアに組み入れた変数は、年齢、性別、治療開始年、各種の併存疾患、各種の治療薬など。

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