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J Am Coll Cardiol誌から
FH患者でのLDL-C管理目標値達成率は11.2%
遺伝子学的診断確定済み患者対象の観察研究結果

2016/04/04
難波寛子=医師

 脂質低下療法LLT)を受けている家族性高コレステロール血症FH)患者のうち、LDLコレステロール(LDL-C)の管理目標値を達成しているのは全体の11.2%に過ぎないことが分かった。スペインで行われた大規模研究で明らかになったもので、その結果がJ Am Coll Cardiol誌の3月22日号に掲載された。

 国際ガイドラインでは、FH患者のLDL-C管理目標を100mg未満(動脈硬化性心血管疾患[ASCVD]の既往がある場合には70mg未満)、または少なくとも50%以上の低下と定めている。臨床現場における管理目標の達成率に関してはデータが少なく、目標達成に関わる予測因子についても明らかでなかった。

 本研究の対象は、SAFEHEART研究(Spanish Familial Hypercholesterolemia Cohort Study)の参加者。SAFEHEAT研究は、スペイン全土で行われた多施設共同前向きコホート研究で、遺伝子検査により確認されたFHヘテロ接合体を対象とするオープン試験である。

 FH家系からの対象のリクルートは、2004年から開始された。SAFEHEAT研究の組み入れ基準は、FH家系の診断の発端となった患者およびその家族の存在で、遺伝子学的に診断が確定している15歳以上の者。本研究では2004年1月から2013年11月の期間で解析を行い、対象は18歳以上とした。

 スタチンとエゼチミブの併用など、少なくともベースラインから50%のLDL-C値低下をもたらすLLTを「最大用量のLLT」と定義した。

 SAFEHEART研究では4132人の対象をリクルートした。うち、家系発見の発端となったFH患者は769人(18.6%)だった。18歳以上の対象は3745人で、うちFH患者が2752人。残る993人は組み入れの時点で高コレステロール血症を呈していなかった。

 経過観察が可能であったFH患者は2653人だった。うち経過観察時の脂質プロフィールが得られた2170人が本研究の最終的な解析対象コホートである(経過観察群)。開業医により経過観察されたのは764人(35.2%)。観察期間の平均は5.1±3.1年(範囲:1~9年)だった。

 18歳以上のFH患者2752人のうち男性は1264人(45.9%)だった。年齢の中央値は49.5歳(四分位範囲[IQR]:28.0-61.0)。動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の既往例は358人(13.0%)、若年でのASCVD既往例は260人(9.4%)、若年でのASCVD家族歴有りが617人(22.4%)だった。

 ベースライン時に2型糖尿病だったのは132人(4.8%)、高血圧は425人(15.4%)、喫煙していたのは725人(26.3%)だった。黄色腫は367人(13.7%)、角膜輪は916人(33.3%)に認められた。BMIの中央値は25.9kg/m2(IQR:23.0-29.1)、ウエスト周囲径は87.0cm(同:76.0-97.0)だった。

 ベースラインの脂質プロフィールは表1の通りである。

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