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Circulation誌から
急性冠動脈疾患のリスク高める食事パターンとは
大規模コホート研究であるREGARDSの結果

2015/09/18
佐古 絵理=メディカルライター

 米国南部に特徴的な食事パターンにより、急性冠動脈疾患CHD)のリスクが高まることが明らかとなった。結果はCirculation誌9月1日号に掲載された。

 Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke(REGARDS)は、米国在住の45歳以上の白人および黒人を対象として、脳卒中のリスクを高める要因を特定するためにデザインした大規模コホート研究である。今回の研究は、食事パターンと急性CHD発生との関連性を調べることが目的だった。ベースライン時にCHDを有していなかったREGARDSの参加者2万4297人から、必要なデータが不足していた人を除外し、1万7418人を解析対象とした。

 110品目に関する食物摂取頻度調査票(food frequency questionnaire:FFQ)を用いて対象者の食事を評価した。その結果をもとに因子分析を行い、経験的に5つの食事パターンを導出した。因子負荷量の大きさ(因子となっている食物が食事パターンの与える影響の強さ)に基づき各パターンに名称をつけ、転帰との関連を調べた。各パターンの名称と影響の大きな食物は次のとおりだった。

利便性追求型:混合食、パスタ、ピザ、メキシコ料理、中華料理
野菜ベース型:野菜、果物、果汁、シリアル、豆、魚、家禽、ヨーグルト
スイーツ型:砂糖の追加、デザート、チョコレート、キャンディ、甘い朝食
米国南部型:脂質の追加、揚げ物、卵および卵料理、内臓肉、加工肉、砂糖添加飲料
アルコール・サラダ型:ビール、ワイン、その他酒類、葉野菜、トマト、ドレッシング

 転帰として急性CHD(非致死的心筋梗塞または急性CHDによる死亡)の発生を追跡した。

 各食事パターンの摂取量を四分位し、その食事パターンの摂取が最も少ない四分位群を第1分位群、最も多い四分位群を第4分位群とした。Cox比例ハザード回帰モデルにより、第1分位群を基準とした場合の第4分位群のハザードを算出し、各食事パターンで急性CHDが発生するリスクを推定した。

 解析対象1万7418人のうち、女性は59%、黒人は35%であり、脳卒中ベルトと呼ばれる地域の住民が56%を占めていた。

 食事パターン別に解析対象者の背景をみたところ、米国南部型の食物摂取量が多い人は、65歳以上の人が少なく、男性、黒人、低収入の人、脳卒中ベルトの居住者が多い傾向があった。

 追跡期間の中央値は5.8年(四分位範囲:2.1年)であり、この間に急性CHDが合計536件発生した。

 年齢、性別、人種、教育、収入、地域、エネルギー摂取量、喫煙、身体活動で補正したCox比例ハザードモデルでは、米国南部型の摂取量が最も多い人の急性CHDリスクは、最も少ない人より56%高かった(第4分位群のハザード比[HR]:1.56、95%信頼区間[95%CI]:1.17-2.08、傾向のP=0.003)。

 この解析モデルにBMI、腹囲、高血圧の既往、脂質異常症、糖尿病を追加すると、関連性がいくらか弱まったものの、依然として有意な関連がみられた(第4分位群のHR:1.37、95%CI:1.01-1.85、P=0.036)。

 年齢、性別、人種で補正したモデルでは、米国南部型の他に急性CHDのハザードと関連がみられた食事パターンはなかった。野菜ベース型にもCHDリスクとの有意な関連はみられなかった。

 各食事パターンの第4分位群のKaplan-Meierプロットから、米国南部型では急性CHDの無病生存率が他の食事パターンと比べて低いことが明らかとなった(図1)。

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