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J Am Coll Cardiol誌から
脳血管疾患の既往のない患者でvorapaxarにより虚血性脳卒中が減少

 心筋梗塞(MI)または末梢動脈疾患(PAD)の既往があり、脳血管疾患(CVD)の既往がない患者を対象として、新規抗血小板薬であるvorapaxarの有効性と安全性を評価したところ、vorapaxarの投与により出血性脳卒中は増加するものの虚血性脳卒中が減少し、全脳卒中の発生率は低下することが分かった。結果は、J Am Coll Cardiol誌12月9日号に掲載された。

 今回の結果は、Trial to Assess the Effects of Vorapaxar in Preventing Heart Attack and Stroke in Patients With Atherosclerosis(TRA 2゜P-TIMI 50)試験から得られた。TRA 2゜P-TIMI 50は国際共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験であり、MI、PAD、虚血性脳卒中の既往がある安定アテローム硬化性血管疾患患者を対象としてvorapaxarの効果を調べた。その結果、CVDの既往がある患者では頭蓋内出血のリスクが上昇することが報告されている。

 そこで著者らは、MIまたはPADの既往がありCVDの既往がない患者計2万170人を対象として、vorapaxarの初発脳卒中への影響について調べた。

 患者は1:1の割合でvorapaxar 1日2.5 mg(1万80人)またはマッチさせたプラセボ(1万90人)のいずれかにランダム化された。

 試験全体の主要評価項目には脳卒中が含まれていたが、さらに虚血性脳卒中と原発性出血性脳卒中に分類して評価した。虚血性脳卒中については、出血性変化を伴うか否かについても特定した。また、脳卒中の重症度を評価するため、修正ランキンスケール(MRS)のスコアを判定した。

 有効性はintention-to-treat解析とし、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

 追跡期間の中央値は31カ月であり、5万2000人・年を超える観察所見に相当した。ベースライン時に患者の97%がアスピリン、71%がチエノピリジンを投与されており、2剤併用抗血小板療法は69%で実施されていた。

 ランダム化から中央値507日後までの間に新規脳卒中は243件発生し、その大半は出血性変化を伴わない虚血性脳卒中だった(187件)。出血性変化を伴う虚血性脳卒中は20人、原発性出血性脳卒中は19人に発生し、未分類の脳卒中が23人に発生した。

 Vorapaxarはプラセボと比較して新規脳卒中の発生を有意に減少させた(1.20% 対 1.65%、ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[95%CI]:0.52-0.87、P=0.002、図1)。これは主に虚血性脳卒中の減少によるものだった(74件[0.88%] 対 130件[1.47%]、HR:0.57、95%CI:0.43-0.75、P<0.001)。

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