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Ann Intern Med誌から
手根管症候群への局所ステロイド注射は10週後の症状を軽減
スウェーデンで行われた単施設RCTの結果

 特発性の手根管症候群CTS)に対してメチルプレドニゾロンの局所単回注射を行い、1年間追跡した結果、10週時点の症状が有意に改善し、1年間に手術を受ける患者の割合も有意に少ないことが分かった。スウェーデンHassleholm病院のIsam Atroshi氏らによるランダム化比較試験(RCT)の結果で、Annals of Internal Medicine誌2013年9月3日号に掲載された。

 CTSで受診した患者にはまず手首の固定が行われるが、その後、多くが手術を受けることになる。手術の転帰は良好だが、合併症や手術関連疼痛の発生が予想され、多くの場合、数週間は仕事を休まざるを得なくなるため、手術以外の有効な治療法が求められていた。CTSに対して局所ステロイド注射も行われているが、1カ月後以降の有効性を示したエビデンスはなかった。

 著者らは、2通りの用量のメチルプレドニゾロン局所注射の、CTSに対する長期的な有効性を評価するRCTをスウェーデンの1施設で行った。

 地域から患者の紹介を受けている整形外科部門で、特発性CTSでステロイド注射歴を持たない18~70歳の患者のうち、手首の固定を2カ月行っても改善が見られず、重症度が手術を検討するレベルであり、神経伝達速度検査で手首に中等度の神経障害ありと判定された患者を08年11月から登録した。神経伝達速度検査の結果が正常だった患者でも、2人の専門医がそれぞれCTSと診断した場合は組み入れた。患者と治療に当たる医師をブラインド化し、12年3月まで追跡した。

 111人の患者を登録し、80mgメチルプレドニゾロン群(平均年齢47歳、女性が70%)、40mgメチルプレドニゾロン群(44歳、73%)、プラセボ群(49歳、76%)にそれぞれ37人ずつ割り付け、筋膜下の手根管の軟部組織に注入した。

 登録から3カ月以降、症状の改善が見られない患者には手術の適用を許可した。

 主要転帰評価指標は、注射から10週時点のCTS症状の重症度スコアと、1年後までに手術を受けていた患者の割合に設定した。

 重症度スコアの評価には、Levineらが作成した質問票を用いた。昼間と夜間の疼痛の重症度や発生頻度、疼痛としびれまたは叩打痛の持続時間などを尋ねるもので、どの質問に対する回答もスコア1(症状なし)~5(最も重症)の中から選択するよう指示した。

 80mg群の1人とプラセボ群の1人が10週以前に手術を受け、プラセボ群の別の1人は10週時点の検査に来なかったため、これら3人の患者については10週時点のデータを得られなかった。1年後のデータは全員分得られた。

 10週時点のCTSの症状の改善は、プラセボ群よりメチルプレドニゾロン80mg群、40mg群で大きかった。ベースラインからのスコアの変化は、80mg群が-0.90、40mg群は-1.17、プラセボ群は-0.30で、スコアの変化量をプラセボ群と比べると、80mg群で-0.64(95%信頼区間-1.06から-0.21、P=0.003)、40mg群では-0.88(-1.30から-0.46、P<0.001)だった。80mg群と40mg群のベースラインからの変化を比較すると、両群の差は有意ではなかった(0.24、-0.20から0.69、P=0.29)。

 1年後の重症度スコアのベースラインからの変化の差は、80mg群とプラセボ群、40mg群とプラセボ群、80mg群と40mg群の比較でそれぞれ有意ではなかった。

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