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Ann Intern Med誌から
空気流動型ベッドや蛋白質強化食品に褥瘡治療効果
体圧分散寝具の使用には予防効果認める、統計的レビューの結果

 褥瘡の予防と管理に関する2件の系統的レビューの結果、ハイリスク者に体圧分散寝具を使用することで褥瘡の予防効果があること、空気流動型ベッドや蛋白質強化食品の使用などに治療効果があることが示された。米オレゴン健康科学大学の研究者が、Annals of Internal Medicine誌2013年7月2日号に報告した。

 褥瘡予防策として米国の現行のガイドラインは、リスク評価ツールの使用と、ハイリスク患者に対する予防的介入を推奨している。リスク評価に広く用いられているのはBradenスケール、Nortonスケール、Waterlowスケールなどで、予防的介入には、体圧分散寝具の使用、体位変換、スキンケア(クリーム、ドレッシング、失禁の管理など)、栄養強化などが実施されている。

 オレゴン健康科学大学のRoger Chou氏らは、これらの褥瘡のリスク評価ツールの臨床における有用性を調べ、予防対策のハイリスク患者に対する有効性と安全性を比較するための系統的レビューを行った。

 MEDLINE、CINAHL、コクランライブラリ、研究助成金のデータベース、臨床試験登録、参照文献リストなどから、リスク評価ツールの有用性を検討していたランダム化比較試験(RCT)と観察研究、予防的介入の効果を比較していたRCTを選出した。条件を満たした研究の不均一性が高かったため、メタ解析は行えなかった。

 質の高い研究1件(内科または腫瘍内科に新たに入院した1231人を登録)が、ベースラインで3通りの褥瘡リスク評価法(Waterlowスケール、Ramstadiusツール、看護師の臨床判断)のいずれかに患者を割り付け、リスク評価を行ったのち退院まで追跡していた。

 Ramstadiusツールに割り付けられた患者がハイリスクと判断された場合には圧切替型エアマットレスの使用と頻繁な体位変換の実施を指示し、Waterlowスケールまたは看護師の臨床判断に割り付けられた患者では、予防的介入法を指定しなかった。その結果、3群間の褥瘡罹患率に差はなく、どのリスク評価(+指定された介入)を行っても、転帰に差は認めなかった。

 リスク評価の有用性について検討した上記以外の研究は質に問題があり、一貫した結果を示していなかった。

 ハイリスク者を対象に予防策としての体圧分散寝具の効果を比較していたRCTは42件だった。質が良好な研究1件と質が中等度の研究4件は、静止型もしくは圧分配機能を持つマットレスが、標準的なマットレスに比べ褥瘡リスクを低下させることを示唆していた。相対リスクは0.16~0.82だった。ただし、5件中2件の研究は統計学的有意差を示さなかった。

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