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Ann Intern Med誌から
リバーロキサバン開始直後はビタミンK拮抗薬使用歴にかかわらず出血リスク上昇に注意
ROCKET AF試験のサブ解析の結果

 脳卒中全身性塞栓症予防において、リバーロキサバンワルファリンの有効性と安全性を比較した大規模ランダム化比較試験(RCT)「ROCKET AF」のサブグループ解析で、リバーロキサバンに割り付けられた患者とワルファリンに割り付けられた患者の転帰を、ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬VKA)の使用歴の有無に基づいて比較した結果、いずれも脳卒中または全身性塞栓症のリスクには差がないことが明らかになった。割り付け薬を開始した当初はリバーロキサバン群に出血イベントが多く発生したが、30日を過ぎると出血リスクに差は見られなくなった。米Duke大学のKenneth W. Mahaffey氏らが、Annals of Internal Medicine誌2013年6月18日号に報告した。

 心房細動患者に対する抗凝固療法の選択肢が増え、新たに心房細動と診断された患者に対する選択肢としてはワルファリン、ダビガトランアピキサバン、リバーロキサバンの4剤がある。既にワルファリンを使用している患者は、ワルファリンの継続か他の3剤のいずれかに切り替えるという選択肢を持つ。

 著者らは、脳卒中と全身性塞栓症の予防においてリバーロキサバンとワルファリンの有効性と安全性を比較したRCTである「Rivaroxaban Once-Daily, Oral, Direct Factor Xa Inhibition Compared With Vitamin K Antagonism for Prevention of Stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation(ROCKET AF)」に登録された患者のデータを利用して、VKAの使用歴の有無とリバーロキサバン、ワルファリンの使用による脳卒中および全身性塞栓症のリスク、出血イベントのリスクの関係を検討した。

 ROCKET AFは、非弁膜症性心房細動患者で脳卒中リスクが高い(CHADS2スコアの平均が3.5)1万4264人を、45カ国の1178施設で06年12月18日~09年6月17日に登録。これらの心房細動患者に対する脳卒中または中枢神経系以外の全身性塞栓症を予防する効果は、リバーロキサバン20mg/日がワルファリン(INRの目標値は2.0~3.0)に対して非劣性であることを示した。

 今回のサブグループ解析も、有効性の主要評価指標は脳卒中または中枢神経系以外の全身性塞栓症とし、安全性の主要評価指標は大出血とそれ以外の臨床的に意義のある出血イベントに設定した。

 VKA使用歴のあるグループ(スクリーニング時点で、少なくとも6週間VKA療法を受けていた患者)と使用歴のないグループ(スクリーニング時点でVKAの使用がない、または使用していたがその期間が6週未満だった患者)において、リバーロキサバンの有効性と安全性をワルファリンと比較した。VKAを使用中の患者は、INRが3.0未満になった段階で被験薬の服用を開始した。

 1万4264人のうち、62.4%の患者がスクリーニング時にVKAを使用していた。7897人(55.4%)がVKA使用歴のあるグループに、6367人(4.6%)がVKA使用歴のないグループに分類された。使用歴のあるグループの3956人がリバーロキサバンに、3941人がワルファリンに、使用歴のないグループの3175人がリバーロキサバンに、3192人がワルファリンに割り付けられていた。VKA使用歴があった7897人のスクリーニング時点のVKA使用日数の中央値は884日で、リバーロキサバンに割り付けられた患者は853日、ワルファリンに割り付けられた患者は914日だった。

 リバーロキサバンに割り付けられ、早期に治療を中止した患者の割合は、VKA使用歴のないグループで24.2%、使用歴のあるグループでは23.3%で差はなかった(P=0.37)。ワルファリンに割り付けられた患者の早期治療中止は、VKA使用歴のあるグループの方が有意に低かった(20.3%と24.5%、P<0.001)。

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