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Ann Intern Med誌から
抗菌薬無効の化膿性汗腺炎にアダリムマブ週1回が有効

 抗菌薬に反応しない化膿性汗腺炎(HS)患者の症状軽減に、抗腫瘍壊死因子(TNF)α抗体製剤のアダリムマブが有効であることが、米Harvard大学医学部のAlexa B. Kimball氏らが行った無作為化試験で明らかになった。論文は、Annals of Internal Medicine誌2012年12月18日号に掲載された。

 化膿性汗腺炎は、若年成人に多い慢性の有痛性皮膚疾患で、腋窩や鼠径部に生じる膿瘍、小結節、排膿のある瘻孔などを特徴とする。西欧諸国での有病率は約1%といわれており、女性患者が男性患者の2倍から5倍に上る。

 現在、各国で化膿性汗腺炎を適応症として承認を得ている治療薬はなく、抗菌薬やステロイド、免疫抑制薬などが用いられている。放射線治療、レーザー治療、外科治療などが適用されることもあるが、多くの場合、期待されるような効果は得られていない。

 先般、クローン病と化膿性汗腺炎を併発した1人の患者にインフリキシマブを投与したところ、両方の疾患が改善したという症例報告をきっかけに、TNF阻害薬を化膿性汗腺炎治療に用いて好結果を得たとする症例が複数報告された。しかし、無作為化試験では一貫した効果を示せていなかった。

 アダリムマブは欧米や日本で、関節リウマチなどの治療に用いられている抗TNFα抗体製剤だ。著者らは、化膿性汗腺炎患者に対するアダリムマブの有効性と安全性を評価する無作為化フェーズ2試験を実施した。

 米国、デンマーク、オランダ、ドイツの26施設で、中等症から重症(HS Physician’s Global Assessment〔PGA〕スコアを用いて評価)の化膿性汗腺炎で、2カ所以上に病変を有し、経口抗菌薬に反応しない、または不忍容の、18歳以上の患者154人を登録した。

 1対1対1の割合で、アダリムマブ40mg/週、アダリムマブ40mg/隔週、または偽薬に割り付けて、二重盲検下で16週間投与した。さらに、試験を完了したすべての患者を対象に36週間のオープンラベル試験を実施。全員にアダリムマブ40mg/隔週投与を行った。28週または31週時点でHS-PGAスコアに基づいて中等症または重症と判定された患者については、隔週から週1回の投与に切り替えた。

 主要転帰評価指標は、HS-PGAスコアがベースラインから16週までの間に2段階以上改善し、「消失」「わずかな病変」または「軽症」と判定された患者の割合に設定。intention-to-treat分析した。

 16週時点で、主要転帰評価指標に設定された臨床反応を示した患者の割合は、毎週群が17.6%(51人中9人)、隔週群は9.6%(52人中5人)、偽薬群が3.9%(51人中2人)で、毎週群と偽薬群の差は13.7%(95%信頼区間1.7-25.7%、P=0.025)、隔週群と偽薬群の達成率の差は5.6%(-4.0から15.3%、P=0.25)となった。

 ベースラインの疼痛レベルがVASスコアで10mm以上だった患者の割合は、毎週群が94.1%、隔週群が90.4%、偽薬群が94.1%。16週時に臨床的に意義のある疼痛軽減(VASスコアが30%以上、かつ10mm以上低下)を経験していた患者は、それぞれ、47.9%、36.2%、27.1%で、毎週群と偽薬群の差は20.8%(1.2-39.7%、P=0.037)と有意だった。

 そのほか、健康関連QOLや作業の生産性なども、アダリムマブ毎週投与群で有意に向上していた。

 重症有害事象の発生率は、毎週群が7.8%、隔週群が5.8%、偽薬群が3.9%で、毎週群と偽薬群の差は3.9%(-5.2から13.0%)、隔週群と偽薬群の差は1.8%(-6.4から10.1%)と、いずれも有意ではなかった。

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