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Ann Intern Med誌から
低線量CT検診で発見された肺癌の25%は過剰診断?
イタリアで行われた後ろ向き研究の結果

 ハイリスク者を対象とした低線量CTLDCT)による肺癌スクリーニングにおいて、検出される腫瘍の約25%が、体積倍加速度が遅く、結果として過剰診断となる可能性があることが、イタリアEuropean Institute of Oncology のGiulia Veronesi氏らによる後ろ向き研究で示された。論文は、Annals of Intern Medicine誌2012年12月4日号に掲載された。

 肺癌は早期に発見すれば5年生存率は大きく向上する。ハイリスク者を対象にLDCTを用いたスクリーニングを行えば、早期に発見できる肺癌患者は増加すると期待され、こうした検査が広まりつつある。

 LDCTスクリーニングが肺癌死亡リスクを有意に低減すると報告した研究は複数ある。一方で、こうしたスクリーニングが生涯にわたって症状をもたらさない癌を検出し、過剰治療を招く可能性もある。集団全体の肺癌死亡を減らすことを目的に行われる検査において、一部の患者が過剰診断過剰治療による害を被ることに対して、どう対処すればよいのだろうか。

 著者らは、LDCTを利用した肺癌スクリーニングを複数回行い、腫瘍の大きさの変化を体積倍加時間(VDT)で表せば、進行性の癌と、生涯にわたって無症候となる癌を区別できる可能性があると考えた。もし、区別できるなら、VDTは過剰診断患者を同定するための指標として利用できるかもしれない。

 そこで、非無作為化試験COSMOSにおいて、単一施設で前向きに追跡されたLDCTスクリーニングコホートのデータを得て、後ろ向きに分析した。

 50歳以上で、20pack-years(箱-年)以上の喫煙者、または過去10年以内に禁煙したがそれまでは20pack-years以上喫煙していた、肺癌リスクの高い無症状の人々を、04年10月から05年10月にかけて登録。年1回の頻度で5年間、LDCTを行った。

 登録患者には、5mm以下の病変は、検出されても告知しないことについて同意を得た。病変が同定された場合の対応の原則は以下の通り。

 ・5mm以下の非石灰化結節:1年後に再度LDCTを実施。
 ・5.1~8.0mmの非石灰化結節:3カ月後に再度LDCTを実施。
 ・8mmを超える非石灰化結節、または、8mm未満の結節で再度のLDCTで増大が認められた場合:CT-PETを実施。
 ・5.1~8.0mmの非固形結節:6カ月後に再度LDCTを実施。
 ・8mmを超える非固形結節:3カ月後に再度LDCTを実施。
 ・非固形結節については、再度のLDCTで直径または密度を指標に進行があったと判断された場合に、8mm以下であれば6カ月後にLDCTを実施し、8mm超ならCT-PETと生検を実施。再度行ったLDCTで増大が見られた場合、またはCT-PETで陽性判定を受けた場合は癌を疑い、外科的な生検と介入を行った。

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