日経メディカルのロゴ画像

Ann Intern Med誌から
2型糖尿病への第1選択はSU薬よりメトホルミン
心血管イベントと死亡のリスクが低い、後ろ向きコホート研究の結果

 2型糖尿病患者に対する第1選択薬としてスルホニルウレアSU薬)を用いた場合とメトホルミンを用いた場合で、心血管疾患(CVD)リスクへの影響は異なるのだろうか。米Nashville Veterans Affairs Medical CenterのChristianne L. Roumie氏らは、退役軍人を対象に後ろ向き研究を行い、SU薬を処方された患者の心血管イベントまたは全死因死亡のリスクは、メトホルミン群に比べて21%高いという結果を得た。論文は、Ann Intern Med誌2012年11月6日号に掲載された。

 2型糖尿病患者ではCVDのリスクが上昇している。第1選択としてSU薬を用いた場合と、メトホルミンを選択した場合にCVDリスクに及ぶ影響は、これまで十分に解析されていなかった。

 著者らは、米退役軍人保健局のデータベースとメディケアのデータファイルを関連づけて、第1選択として用いた場合に、SU薬とメトホルミンが2型糖尿病患者のCVDアウトカム(急性心筋梗塞と脳卒中による入院)または全死因死亡に及ぼす影響を比較する後ろ向きコホート研究を実施した。

 2型糖尿病で、少なくとも過去1年間は糖尿病治療薬の投与歴がなく、01年10月1日から08年9月30日までに経口糖尿病治療薬の単剤投与が開始されていた患者を選び、それらの患者の中から、SU薬(グリブリドグリベンクラミド〕またはグリピジド)またはメトホルミンの使用を開始していた患者を抽出した。慢性腎疾患または重篤なの内科疾患がある患者は除外した。

 追跡は、以下のいずれかの時点まで継続した:別の糖尿病治療薬への切り替え、別の糖尿病治療薬を追加、SU薬またはメトホルミンが手元にない状態が90日間続く、CVDアウトカムまたは全死因死亡が発生、打ち切りとなるイベント(血清クレアチニン値が133μmol/L以上に上昇、181日以上受診なし、追跡終了日の08年9月30日を迎えた)が発生。

 主要評価指標は、「急性心筋梗塞または脳卒中による入院」と「死亡」を合わせた複合イベントとし、ベースラインの人口統計学的特性、医薬品の使用、コレステロール値、HbA1c値、血清クレアチニン値、血圧、BMI、医療の利用、合併疾患などで調整し、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて分析した。

 条件を満たした25万3690人のうち、9万8665人(年齢中央値は67歳、男性が97%、白人が75%、HbA1cの平均は7.3%)がSU薬(55%がグリブリド、45%がグリピジド)、15万5025人(62歳、95%、74%、7.0%)がメトホルミンの初回処方を受けていた。両群の患者のうち、傾向スコアがマッチする患者がそれぞれ8万648人見つかった。

 追跡期間の中央値は、SU薬群が0.61年(1日~5.5年、0.25~1.50年)、メトホルミン群は0.78年(レンジは1日~5.5年、四分位範囲は0.25~1.71年)だった。両群の打ち切り例の打ち切りの理由は同様だった。

この記事を読んでいる人におすすめ