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Arch Intern Med誌から
LABA+吸ステで管理良好な喘息患者のLABA中止は慎重に
併用を継続した場合とLABAのみ中止した場合をメタ分析で比較

 長時間作用型β2刺激薬LABA)と吸入ステロイドの併用により喘息管理が良好になった患者が、LABAの使用を中止すると、継続した場合に比べて喘息の管理が不良になることが、カナダMcMaster大学のJan L. Brozek氏らが行った系統的レビューとメタ分析で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌電子版に2012年8月27日に掲載された。

 LABAの安全性に対する懸念から、米食品医薬品局(FDA)は、LABAと吸入ステロイドの併用により喘息管理が良好になった患者については、LABAの投与中止を推奨している。著者らは、これを支持するエビデンスを探すべく、LABAと吸入ステロイドの併用で管理良好となった後、LABAだけを中止した患者と、併用レジメンを継続した患者を比較した無作為化試験を対象に、系統的レビューとメタ分析を行った。

 MEDLINE、EMBASE、コクランセントラルに2010年8月までに登録された研究や、臨床試験登録の情報、LABA製造会社から提供された情報などを対象として、条件を満たす無作為化試験を検索した。5件の試験が組み入れ条件を満たした。うち1件は学会の抄録と製薬会社の臨床試験登録にのみ情報が掲載されていた。

 5件の中に、15歳未満の患者を登録していた研究はなかった。いずれも、喘息歴6カ月以上の軽症~中等症の患者を対象にしていた。FDAがLABA中止を推奨するのは、「2剤併用で喘息管理が良好になってから3カ月以上を経た患者」となっているが、どの試験も併用による管理良好期間(管理良好になってからLABAを中止するまでの期間)が短く、3件が4週間、1件が4~5週間、1件は8週間だった。

 LABA中止群に割り付けられていた患者の合計は660人、LABA継続群は692人だった。

 喘息患者の転帰において、LABA中止が統計学的に有意な利益をもたらすことを示した結果は見付からなかった。

 一方、2剤併用レジメンを継続する場合に比べ、LABAを中止するアプローチが好ましくないことを示した結果は複数得られた。LABA中止群では、LABA継続群に比べて喘息QOLスコアが悪化し(平均差は0.32、95%信頼区間0.14-0.51)、喘息コントロール質問票スコアも悪化し(平均差は0.24、0.13-0.35)、症状のない日の割合が少なかった(平均差は9.15%、1.62-16.69%)。レスキュー気管支拡張薬の吸入はLABA中止群で多かった(1日当たりの平均差は0.71回、0.29-1.14回)。さらに、効果がないまたは喘息の管理不良による脱落のリスクが高かった(リスク比は3.27、2.16-4.96)。

 さらに、差は有意ではなかったものの、LABA中止群では、経口ステロイド薬の使用が増え、就寝中に目覚めなかった日数の割合が減少していた。

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