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Arch Intern Med誌から
チアゾリジン薬使用者で糖尿病性黄斑浮腫リスクが上昇

 チアゾリジン系薬剤を使用している2型糖尿病患者では、糖尿病性黄斑浮腫DME)の新規発症リスクが有意に高いことが、英Sherwood Forest HospitalsのIskandar Idris氏らが行った後ろ向きコホート研究で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌電子版に2012年6月11日に掲載された。

 欧米では、チアゾリジン系薬剤は、2型糖尿病患者の血糖管理のための第2選択または第3選択として、他の経口糖尿病治療薬またはインスリンとの併用が推奨されている。

 これまで、チアゾリジン系薬剤の有害事象として、骨折、浮腫、心不全、膀胱癌などのリスク上昇が報告されてきた。浮腫については末梢浮腫や肺水腫との関係が知られていたが、近年、小規模な研究によりDMEとチアゾリジンの関係も示唆されていた。DMEは、2型糖尿病患者の約2割に見られる、視覚を脅かす病気だ。

 その後行われた、米国のマネージドケア組織であるKaiser Permanenteが保有するデータを分析した研究では、ピオグリタゾン曝露から1年間のDMEリスク上昇が示された。だが一方で、ACCORD eye studyのデータを分析した結果は、これらの間に有意な関係を見いださなかった。これらはいずれもチアゾリジンとDMEの関係を長期にわたって調べた研究ではない。

 そこで著者らは、2型糖尿病患者をチアゾリジン使用者と非使用者に分けて、短期的、長期的なDMEリスクを評価する後ろ向きコホート研究を実施した。

 イングランドとウェールズの479人の一般開業医の診療データを登録しているThe Health Improvement Network(THIM)のデータベースから、2型糖尿病でDMEではない18歳以上の患者10万3368人を選出。2000年1月1日から09年11月30日までの臨床的、生化学的、人口統計学的情報を得た。ベースラインでチアゾリジン系薬剤を使用していたが、曝露期間が6カ月に満たなかった患者は分析から除外した。

 主要転帰評価指標は、追跡開始から1年間と10年間の新規発症DMEに設定した。

 条件を満たした10万3368人の2型糖尿病患者のうち、ベースラインでチアゾリジン系薬剤を使用していた患者は3227人(平均年齢58.2歳、男性が42.1%)、非使用者は10万141人(56.4歳、47.8%)だった。

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