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Arch Intern Med誌から
ワルファリンによる脳卒中管理と転帰はこの20年で向上
心房細動患者を対象とした無作為化試験をメタ分析

 非弁膜症性心房細動NVAF)患者の脳卒中予防には長い間ワルファリンが用いられてきた。米Cleveland ClinicのShikhar Agarwal氏らは、近年行われた無作為化試験を対象にメタ分析を行い、その絶対的な有効性と安全性を分析した。得られた値を約20年前の無作為化試験と比較したところ、ワルファリンによる凝固活性の管理は向上し、転帰も改善したことが示された。論文は、Arch Intern Med誌2012年4月23日号に掲載された。

 NVAF患者では、虚血性脳卒中リスクが約5倍に上昇している。ワルファリンに代わる抗血栓薬として、いくつかの新薬が開発されており、臨床試験でワルファリンに対する優越性が示された薬剤もある。こうした新薬は有効性以外にもワルファリンに比べて使いやすいなど複数の利点を持つが、コストは高い。このため、著者らは、ワルファリン特有の使いづらさを考慮しても、世界的には多くの患者に従来通りワルファリンが用いられる状況が続くと予想している。

 一方でNVAF患者に対するワルファリンの使用法にもかなりの進歩があり、安定した管理が容易になってきた。そこで著者らは、脳卒中予防を目的としてNVAF患者にワルファリンを投与した最近の大規模無作為化試験を対象に、この治療の相対的な利益ではなく、絶対的な有効性と安全性を評価しようと考えた。得られるデータは、医師が、担当した患者に、ワルファリンとより新しい抗血栓薬のいずれを選択すべきかを判断する際に役立つはずだ。

 01~11年の10年間にMedline、Embase、コクランライブラリに登録された研究の中から、脳卒中の1次予防または2次予防を目的として、NVAF患者を登録しワルファリンまたは他の抗血栓レジメンに割り付けていた無作為化試験で、ワルファリン群の患者が400人以上であり、有効性の評価指標に脳卒中を設定していたものを選んだ。さらにそれらの中から、Jadadスコアが3以上の、質の高い試験を選出した。

 メタ分析における有効性の主要評価指標は、「虚血性または出血性の脳卒中もしくは中枢神経系以外に発生した塞栓症」とし、安全性の評価指標は、大出血や頭蓋内出血などに設定した。

 8件の試験(3万2053人を登録)が条件を満たした。それらは、ワルファリン群の患者を5万5789人-年追跡していた。いずれも、目標治療域はプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)2~3の間に設定。TTR(Time in Therapeutic Range: PT-INRが目標治療域にあった期間の割合)は55%から68%で、7件が60%を超えていた。

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