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Arch Intern Med誌から
座っている時間が長いと死亡リスクが上昇
運動量にかかわらず全死因死亡の危険因子に

 長時間座りっぱなしの生活が健康に良くないことは広く認識されている。では、適度の運動を加えれば、健康でいられるのだろうか。この疑問の検証を試みたオーストラリアSydney大学のHidde P. van der Ploeg氏らは、1週間の運動時間で調整しても、1日の座っている時間の合計が長くなるにつれて、全死因死亡リスクが有意に上昇することを明らかにした。論文は、Arch Intern Med誌2012年3月26日号に掲載された。

 身体活動量が多い生活は健康に良い。WHOは、中等度以上の強度の有酸素運動を週に150分以上実施する生活を推奨している。これを続けていると、心血管疾患や2型糖尿病、一部の癌などの慢性疾患のリスクが低下するという。

 反対に、長時間座っている生活は健康に良くないと考えられており、肥満や心血管疾患、糖尿病、癌のリスクの上昇と関連づけられている。しかし、仕事や学習のために座っている時間や、通勤・通学中(自動車を運転中、または電車やバスなどに乗車中)に座っている時間、また、余暇の楽しみ(テレビ、映画、スポーツ観戦、魚釣りなど)のためにゆったりと座る時間などの合計と、全死因死亡の関係を示したエビデンスは限られていた。

 著者らが分析対象にしたのは、健康的な加齢をテーマに行われた、南半球では最大規模の前向きコホート研究「45 and UP Study」に登録されたオーストラリア・ニューサウスウェールズ州在住の45歳以上の一般男女だ。06年2月1日から08年11月30日までに質問票を用いたベースラインの調査を完了した22万2497人(52.4%が女性)を前向きに追跡した。

 質問票の中の「1日のうち、どのくらいの時間を座って過ごしていますか?」という質問に対する回答に基づいて、対象者を、4時間未満、4時間以上8時間未満、8時間以上11時間未満、11時間以上に層別化した。22万2497人のうち、座っている時間が4時間未満だった人々は全体の26.3%、4時間以上8時間未満は48.5%、8時間以上11時間未満は18.7%、11時間以上は6.4%だった。

 質問票の中の身体活動量に関する質問は、1週間に行った10分以上のウォーキング、その他の中等度の運動(軽い水泳やテニスなど)、強度の高い運動(ジョギング、サイクリング、テニスの試合など)の時間をそれぞれ分単位で記入させた。それらを合計して1週間の身体活動時間とし、これに基づいて対象者を層別化した。1週間の身体活動時間が0分だった人々は全体の5.4%、150分未満が19.5%、150分以上300分未満が20.1%、300分以上が54.9%だった。

 死亡に関する情報は、同州の出生・死亡・婚姻登録から入手した。平均2.8年、62万1695人-年の追跡で、5405人が死亡していた。

 交絡因子候補(性別、年齢、学歴、居住地域が都市部か地方か、身体活動レベル、BMI、喫煙歴、自己評価した健康状態、身体障害レベル)で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて、全死因死亡と座っている時間の関係を調べた。

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