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Ann Intern Med誌から
CKDへの抗血小板薬、利益はわずかで出血リスク上昇
36件の無作為化試験を対象に、初めてのメタ分析

 慢性腎臓病CKD)患者に対する抗血小板薬投与の利益とリスクを評価するために行われた初めてのメタ分析で、CKD患者が抗血小板薬から得る利益はわずかであり、出血リスクの上昇が予想されることが明らかになった。ニュージーランドOtago大学のSuetonia C. Palmer氏らが、Ann Intern Med誌2012年3月20日号に報告した。

 世界の成人人口の10~15%がCKDといわれるほど、この病気の有病率は高い。CKD患者の心血管リスクは一般集団より高く、特に末期CKD患者におけるリスク上昇は顕著だ。心血管イベントの予防には抗血小板薬が広く用いられているが、CKD患者の心血管イベントはアテローム硬化性ではないことが多く、止血能が正常でないために出血リスクが上昇する可能性がある。そのため、抗血小板薬の影響は、他の病気の患者とは異なっていると考えられる。

 そこで著者らは、CKD患者に対する抗血小板薬投与が、心血管イベント、死亡、出血などに及ぼす利益とリスクを総合的に評価しようと考え、無作為化試験を対象とする系統的レビューとメタ分析を行った。

 Embaseとコクランセントラルのデータベースに1980年から2011年11月までに登録された研究の中から、成人のCKD患者を登録し、抗血小板薬または標準治療、偽薬、無治療に割り付け、2カ月以上追跡していた無作為化試験を選出した。

 患者特性、介入法、転帰(致死的または非致死的な心筋梗塞もしくは脳卒中、全死因死亡、死因別死亡、冠動脈血行再建術、大出血、小出血など)とバイアスリスクに関するデータを抽出した。エビデンスの質はGRADEシステムを用いて評価した。

 計40件(2万1670人)の試験が系統的レビューの条件を満たし、うち36件(2万942人)がメタ分析の対象になった。

 血管閉塞リスクが高いと考えられる、急性冠症候群またはPCIを受けるCKD患者を登録していたのは9件(9969人)。すべてが大規模試験の登録患者の中からCKD患者を選出し、後付けで行ったサブグループ解析だった。7件が5471人にGP IIb/IIIa阻害薬(アブシキシマブエプチフィバチドチロフィバン)を適用しており、2件は4498人にクロピドグレルを適用していた。追跡期間の中央値は12カ月だった。

 残りの31件は、安定した心血管疾患または心血管疾患ハイリスクのCKD患者を対象にした試験で、1万1701人を登録していた。うち27件(1万973人)がメタ分析の対象になった。

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