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Arch Intern Med誌から
術後にオピオイドを使用した人は1年後も使用率が高い
NSAIDsも同様の傾向、術後疼痛リスクの低い短期入院手術における検討

 術後疼痛リスクが高くない外来手術を受けた高齢患者のうち、術後にオピオイドを処方された患者は、オピオイドを処方されなかった患者と比べて、1年後もオピオイドを使用しているリスクが1.44倍に上ることが、カナダToronto大学のAsim Alam氏らの後ろ向きコホート研究で明らかになった。術後に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の処方があった患者でも、処方がなかった患者に比べ、1年後のNSAIDs使用リスクは3.74倍になっていた。論文は、Arch Intern Med誌2012年3月12日号に掲載された。

 外来で処方される鎮痛薬の中で最も一般的なのが、NSAIDsとオピオイドだ。どちらの薬剤にも有害事象のリスクがあり、オピオイドの場合は長期に使用すると依存を引き起こす危険性もある。にもかかわらず、オピオイド系鎮痛薬の過剰な処方は少なからず行われている。

 著者らは、そうした鎮痛薬を使用した場合に有害事象が現れやすい高齢者を対象に、短期入院手術後の予防的な鎮痛薬の処方が長期使用に関係するかどうかを調べる後ろ向きのネステッドケースコントロール研究を実施した。

 カナダのオンタリオ州の住民の健康に関する情報を登録している複数のデータベースを関連づけて、97年4月1日から08年12月31日までに、術後疼痛リスクが低い、日帰りまたは短期入院手術(白内障手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、経尿道的前立腺切除術、下肢静脈瘤抜去術のいずれか)を受けた66歳以上の高齢者を抽出した。それらの患者の中から、入院前1年間に鎮痛薬の処方歴がなく、退院後7日以内にオピオイドの処方を受けていた患者を選出。全員を最大425日追跡して、手術日からちょうど1年目となる日の前後それぞれ60日(手術後305日~425日)のあらゆるオピオイドの処方の有無を調べた。同様に、術後と1年後のNSAIDsの処方についても調べた。

 年齢、性別、Charlson併存疾患指数、社会経済学的地位、介護施設入所、手術を受けた病院の種類などを交絡因子候補とし、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて術後の鎮痛薬使用と1年後の使用の関係を調べた。

 短期入院手術を受けたオピオイド使用歴のない患者39万1139人のうち、2万7636人(7.1%)が術後にオピオイドの処方を受けていた。白内障手術を受けた患者ではその割合は4.9%と少なかったが、腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた患者では65.3%と多かった。経尿道的前立腺切除術を受けた患者では18.1%、静脈瘤抜去術を受けた患者では50.8%だった。

 手術から1年後にオピオイド処方があったのは3万145人(全体の7.7%)で、術後と1年後の両方で処方を受けていたのは2857人(術後処方患者の10.3%)だった。術後にオピオイドを使用した患者は、そうでない患者に比べ、1年後もオピオイドを使用しているリスクが44%高かった。調整オッズ比は1.44(95%信頼区間1.39-1.50)。

 術後、最も多く処方されていたオピオイドはコデインで、全体の93.4%を占めた。2番目に多かったのはオキシコドン(5.4%)だった。1年後のオピオイド処方に占める割合はそれぞれ87.5%と15.9%で、オキシコドンの使用増加が目立った。また、術後にオピオイドの使用歴があった患者は、1年後の時点でより強力な長時間作用型のオピオイドの処方を受けている傾向が強かった。オキシコドンのほか、経皮的フェンタニルの使用者も0.01%から1.6%に増えていた(いずれも複数回答)。

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