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Arch Intern Med誌から
安定冠疾患への初期治療、ステント留置に利益なし
最新の系統的レビューとメタ分析の結果

 安定冠動脈疾患患者に対する初期治療として、冠動脈ステント留置と薬物療法を適用しても、薬物療法のみの場合に優る利益は得られないことが、米Stony Brook大学のKathleen Stergiopoulos氏らが行った最新のメタ分析で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌2012年2月27日号に掲載された。

 急性冠症候群の患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、死亡と非致死的心筋梗塞のリスクを低減する。しかし、安定冠動脈疾患の治療におけるPCIの役割については議論が続いている。

 安定冠動脈疾患に対する初期治療として、PCIを行った場合と薬物療法を適用した場合の転帰を比較したメタ分析は複数行われているが、生存利益に関する一貫した結果は得られていない。分析対象となった研究の一部は1980~90年代に患者登録を行っており、その時代に適用された介入法と、現在一般に用いられている方法は大きく異なる。当時は、患者の多くにバルーン血管形成術が適用され、スタチンやACE阻害薬、ARBなどは利用できなかった。

 著者らは、現行の介入法の利益を、系統的レビューとメタ分析を行って評価する必要があると考えた。安定冠動脈疾患患者に対する初期治療に、冠動脈ステント留置術と薬物療法を用いた場合と、薬物療法のみを用いた場合の転帰を比較していた全ての無作為化試験を選出し、死亡、非致死的心筋梗塞、予定外の血行再建術施行、狭心症への影響を比較した。

 MEDLINEに1970年から2011年9月までに登録された無作為化試験のうち、安定冠動脈疾患患者を対象に「PCI+薬物療法」と「薬物療法のみ」を比較し、死亡や非致死的心筋梗塞などの発生を報告していた、追跡期間が1年以上の試験を抽出した。PCIにおけるステント使用率が50%未満の試験は除外した。

 個々の試験から、全死因死亡、非致死的心筋梗塞、予定外の血行再建術(PCIまたは冠動脈バイパス術〔CABG〕)施行、狭心症に関するデータを抽出し、ランダム効果モデルを用いてサマリーオッズ比を求めた。

 条件を満たしたのは8件の臨床試験(TOAT、MASS II、DECOPI、OAT、COURAGE、JSAP、BARI2Dと、Humbricht氏らの2004年発表の試験)だった。これらは、97年から05年までに7229人の患者を登録していた。うち3617人がステント+薬物療法に、3612人が薬物療法のみに割り付けられていた。

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