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Arch Intern Med誌から
大気汚染物質への曝露が多いと認知機能低下が早まる
大気中の微粒子状物質PM2.5-10とPM2.5について検討

 大気中の微粒子状物質(particulate matter;PM)のうち、粗大粒子(PM2.5-10:直径が2.5~10μm)と微小粒子(PM2.5:直径2.5μm未満)の長期的な曝露が認知機能低下を加速させることが、米国の高齢女性を対象とした大規模前向き研究で明らかになった。米Rush大学医療センターのJennifer Weuve氏らが、Arch Intern Med誌2012年2月13日号に報告した。

 環境に存在する毒性物質、特に大気汚染物質は、修正可能な認知症危険因子の1つである可能性が考えられている。PMについては、既に呼吸器系や心血管系に有害な影響をもたらすことが示されている。規制によって大気中のPMの量は減少しているが、現在も健康に悪影響を及ぼしていると考えられている。

 PMの慢性的な曝露によって認知機能の低下が加速する可能性はこれまでも考えられてきたが、この関係について調べた研究はほとんどなかった。そこで著者らは、 PM2.5-10とPM2.5の長期的な曝露が認知機能低下に及ぼす影響を調べるために、1976年に米国の11の州で30~55歳の女性看護師12万1700人を登録したNurses’ Health Studyの認知コホートを分析対象に選んだ。この認知コホートは、Nurses’ Health Studyに登録された女性のうち、1995~2001年に70歳以上で、脳卒中歴のない女性に受診を促して、同意が得られた1万9409人を登録したものだ。

 地理情報システム(GIS)ベースの時空間平滑化モデルを用いて、ベースライン(95~01年)に行った認知機能検査の前の1カ月間と、88年から認知機能検査までの7~14年間のPM2.5-10とPM2.5の曝露量を、対象となる女性1人1人の居住場所について推定した。

 主要転帰評価指標は認知機能に設定。有効性が確認されている電話による認知機能スクリーニング(Telephone Interview for Cognitive Status)を用いて一般認知能力を評価し、さらに5種類の検査を行って、言語記憶、カテゴリー流ちょう性、作動記憶、注意の能力などを評価した。これらの検査はおおよそ2年間隔で3回実施した。6通りの検査を全て受けた1万6887人を対象に、個々の検査のzスコアの平均を求めて全体スコアとした。一般化推定方程式回帰モデルを用いて、PM2.5、PM2.5-10の曝露レベルと認知機能低下速度の関係を調べた。

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